ドル円、心理的節目116円を突破。2017年1月以来、約5年ぶり高値圏へ(1/5朝)

4日(火)のドル円相場は約5年ぶり高値圏へ急上昇。

ドル円、心理的節目116円を突破。2017年1月以来、約5年ぶり高値圏へ(1/5朝)

ドル円、心理的節目116円を突破。2017年1月以来、約5年ぶり高値圏へ

〇ドル円、米国時間朝方にかけ116.36まで上昇
〇株式市場の堅調推移、中国PMIの力強い結果等が背景
〇ユーロドル、1.13近辺で上下方向感見いだせず
〇ドル円、21年年間高値115.53を上抜けて約5年ぶり高値を記録テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策格差、株価の堅調等ドル円買い材料が揃う
〇ドル円続伸がメインシナリオ、ADP雇用統計、FOMC議事要旨に注目
〇本日の予想レンジ:115.80ー116.80

海外時間のレビュー

4日(火)のドル円相場は約5年ぶり高値圏へ急上昇。@株式市場の堅調推移(大発会の日経平均株価は前営業日比+510円の急伸劇。欧米株もクリスマスラリーが継続中)や、A中国12月財新製造業PMIの力強い数字(結果50.9、予想50.0、前回49.9)、B上記@Aを背景としたリスク選好の円売り圧力、C日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り(1/5に予定されているFOMC議事要旨がタカ派的な内容になるとの思惑→米金利急上昇→米ドル高)、D昨年11/24に記録した約4年10ヵ月ぶり高値115.53を上抜けたことに伴うロスカット(逆張り勢による損失覚悟の買い戻し)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値116.36(2017年1月以来、約5年ぶり高値圏)まで急伸しました。

E米12月ISM製造業景況指数(結果58.7、予想60.0、前回61.1)が市場予想を下回ったことで反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/5午前4時50分現在)では、116.15前後で推移しております。尚、昨日は岸田首相より「感染再拡大して病床の逼迫が見込まれるなら、行動制限強化も機動的に考えなければならない」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的なものに留まりました。

4日(火)のユーロドル相場は上下しつつも方向感を見出せず。@テクニカル的な地合いの弱さ(上方より一目均衡表の分厚い雲が垂れ下がってくる)や、A欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い、B欧州圏で広がる新型コロナウイルス感染リスク(欧州経済の先行き不透明感)、C米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1273まで下落しました。しかし、一巡後に下げ渋ると、D米12月ISM製造業景況指数の冴えない結果(ドル売り)が支援材料となり、高値1.1324まで反発する場面も見られました。もっとも、1.13台では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間1/5午前4時50分現在)では、1.1290前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は昨年11月に記録した2021年の年間高値115.53を上抜けすると、昨日は一時116.36まで急伸しました(2017年1月以来、約5年ぶり高値を記録)。遅行線の26日前のローソク足突破を経て、強い買いシグナルを示唆する三役好転も実現しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(一目均衡表三役好転に加えて、移動平均線のパーフェクトオーダーや、ボリンジャーバンドのバンドウォークも揃っている状態)。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差に着目したドル買い・円売りや、株式市場の堅調推移(欧米株はクリスマスラリー継続。日本株も大発会で力強さを演出→リスク選好の円売り圧力)など、ドル高・円安を想起させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、今晩は日本時間22:15に予定されている米12月ADP雇用統計の他、明日1/6早朝4時に発表される米FOMC議事用に注目が集まります。前者が力強い結果を示す場合には、週末の米雇用統計のポジティブサプライズを織り込む形でドル円に一段の上昇圧力が加わると予想されます。また、FOMC議事要旨でタカ派的なスタンス(具体的には、前回12月のFOMCでQT=量的引き締め=FRBが買い入れた資産の内、満期が到来した分を再投資せず償還させることについて、踏み込んだ議論がなされていたこと)が示される場合にも、年4回の利上げを織り込む形で(現在は年3回の利上げが織り込まれている状態)、米金利上昇→米ドル高の流れに弾みがつくと考えられます。この為、本日はアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう(本日は5・10日でもあるため、日本時間9時55分の公表相場決定にかけてのドル買い・円売りにも要注意)。

本日の予想レンジ:115.80ー116.80

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目116円を突破。2017年1月以来、約5年ぶり高値圏へ

ドル円日足

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