コロナに一喜一憂しつつも基本はレンジか
〇本日のドル円、113.55-80レンジ内での一進一退、クリスマス相場の色合いが濃くなってきた様子
〇先週末からの113.15-87という72銭レンジ、クリスマスモードで薄商いのなか抜けられるのか注目
〇米国初のオミクロン株感染者死亡が確認されるなど、感染拡大は依然として予断を許さない状況
〇本日、7-9月期経常収支発表、20年債入札、米大統領のオミクロン株対策に関する演説予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.30-114.00、 引き続き113.87が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は113.15がサポートだが、目先的にはその手前113.30前後も意識され始める
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場はレンジ取引。いよいよクリスマス相場の色合いが濃くなってきた感を否めず、値幅は20ポイント強と非常に狭かった。
ドル/円は113.60円前後で寄り付いたものの、上下とも攻めにくく基本はレンジ取引。113.55-80円といったなかでの一進一退をたどっている。NYダウ先物が堅調に推移したうえ、日経平均株価も終値ベースで500円以上上昇と大きく値を上げたが、為替市場への影響はいまひとつだった。16時現在では113.70-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「トルコリラ」について。
前者は、英首相が「オミクロン株抑制に向けあらゆる措置を検討」と発言したうえ、独首相も「ワクチン接種でもコロナ規制強化を検討」と述べるなど、欧州地域の新型コロナの感染拡大は依然として予断を許さない状況にあるようだ。一方、「テキサス州で米国初のオミクロン株感染者の死亡を確認」と伝えられたほか、自身は陰性だったが、バイデン米大統領が「コロナ感染判明の職員と先週接触」ことが明らかになるなど、依然として何があっても不思議はないだろう。
対して後者は、トルコリラは昨日再び史上最安値を更新。対円で一時6円割れを意識するレベルまで軟化したが、同国のエルドアン大統領が「リラ建て預金の価値を政府が保全する」と表明したことで、流れが一変した。トルコリラは対円やドルで急騰。また、本日東京でもリラ買いの動きが継続すると、一時11円台を示現するなど、わずか数時間で80%ほどの「暴騰」をたどった計算になる。短期的にはリラ高が続く公算は大きいものの、継続性を疑問視する向きも少なくないようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、すでに1週間以上も113.15-114.27円という1円強のレンジにとどまっているが、先週末からの数日に限ればさらに狭い113.15-87円という72銭レンジ。実際、昨日から本日に掛けてもドルは目先高値113.87円を超えていくことは出来ていない。依然としてレンジ内だ。市場がクリスマスモードを強めるなか、まずは72銭の狭いレンジを抜けていくことが出来るのかに注意を払いたい。
先週発表された日米欧英の金融政策をめぐるスタンスからすれば、やはり円は積極的に買いにくい。ただ、引き続き新型コロナ・オミクロン株が気掛かり。先でも取り上げた「テキサス州で米国初のオミクロン株感染者の死亡を確認」したように、米国でも今後猛威を振るう危険性も一部で取り沙汰されていた。幸いなことに米株が取り敢えず堅調に推移しているものの、それが崩れれば為替市場でも再び円高リスクが強まることになりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は期間に応じて幾つかのレンジを形成している感。そのうちもっとも短期、かつ狭いレンジはというと、先週末からの113.15-87円という72銭レンジになる。本日東京をみてもドルは底堅く、敢えてリスクを指摘すれば上方向にバイアスはかかりそうだが、クリスマスモードで薄商いのなか、果たしてレンジを上抜けられるのかにまずは注目だ。
材料的に見た場合、中長期的には、G7外相が香港選挙をめぐり対中非難の緊急声明を発表している「中国情勢」、各国による厳しい対策措置導入も今週末のクリスマス後の感染拡大への懸念が拭いきれない「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、7-9月期の経常収支が発表されるほか、米財務省による20年債の入札も実施される見込みだ。さらには、バイデン米大統領がオミクロン株対策について演説を行う予定であり、こちらを注視している向きもある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.30-114.00円。引き続き先週末高値の113.87円が最初の抵抗。超えれば114円台を回復の可能性もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、強いサポートは同じ先週末安値の113.15円だが、目先的にはその手前113.30円前後もサポートとして意識され始めているようだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.05.04
来週の為替相場見通し:『ドル円は為替介入およびFOMCを経て急落するも続落余地は限定的か』(5/4朝)
ドル円は今週初に記録した約34年振り高値160.24をトップに反落に転じると、週末にかけて一時151.87まで急落するなど、週間値幅が8円を超える歴史的大相場となりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.05.03
ドル円 ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視(5/3夕)
アジア市場はドルが弱含み。寄り付きから一貫してのじり安で、一時は153円を割り込む局面も観測されていた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.03
FOMC結果のポイント:パウエル議長はややハト派、記者会見直後に日本当局は介入第2弾実施か(5/3)
米連邦準備制度理事会(FRB)は4月30日−5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を下限5.25%、上限5.5%と6会合連続で据え置いた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2021.12.21
ドル円113円台後半で膠着状態、日経平均は3営業日ぶり大幅反発 (12/21午前)
21日午前の東京市場でドル円は113円台後半での小動き。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。