ドル円、リスクオン再開で114円台を回復。続伸リスクに要警戒
〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値114.22まで急伸
〇米歳出入法案を巡る悲観論の後退、株式市場の堅調推移等が背景
〇ユーロドル、1.12台後半で上値重い、独消費者信頼感指数の不冴えが重石に
〇ドル円、一目均衡表雲上限をバックに底堅さを取り戻しつつあり、テクニカル的な地合い強い
〇ファンダメンタルズもドル買い材料多く、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日米3QGDPはじめ重要指標の発表等多く、ボラティリティ拡大に要注意
〇本日の予想レンジ:113.70ー114.40
海外時間のレビュー
21日(火)のドル円相場は堅調な展開。アジア時間朝方にかけて一時113.56まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@米歳出入法案を巡る悲観論の後退(米民主党のマンチン上院議員はバイデン米政権の2兆ドル規模の税制・支出法案を支持しないと表明→しかし米ホワイトハウスは電話協議の結果、同法案に係る再交渉の余地は残っていると発言)や、A株式市場の堅調推移(日経平均株価や米主要株価指数が急上昇→リスク選好の円売り圧力)、B日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り圧力(米長期金利急上昇→米ドル買い)、C心理的節目114.00を突破したことに伴う短期筋のロスカットが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.22まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前4時45分現在)では、114.12前後で推移しております。
21日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@デギンドスECB副総裁による「ユーロ圏のインフレ高進は当初の想定ほど一時的にはならない」との発言や、Aスロバキア中銀カジミール総裁による「ユーロ圏のインフレ率がECBの予想より長く高止まりする可能性がある」との発言、B上記@Aを背景としたECBのタカ派転換観測が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1303まで上昇しました。しかし売り一巡後に伸び悩むと、Cドイツ1月GFK消費者信頼感(結果▲6.8、予想▲2.7)の冴えない結果や、D米金利上昇に伴うドル高圧力、E欧州ガス価格のヒストリカルハイ更新(ドイツへ供給するロシア産ガスのパイプラインの流れが東向きに変わったことが背景→欧州経済の先行き不透明感とロシアを巡る地政学的リスク→ユーロ売り)が重石となり、米国時間にかけて安値1.1261まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前4時45分現在)では、1.1280前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は先週末金曜日に記録した安値113.14をボトムに反発に転じると、昨日は一時114.22まで上昇しました。一目均衡表雲上限をバックに底堅さを取り戻しつつあり、テクニカル的に見て地合いは強いと判断できます(目先は12/15高値114.28や12/16高値114.25がターゲット。同水準を突破できれば、11/24に記録した高値115.53に向けて一気に上昇する恐れあり)。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)や株式市場の持ち直し(リスク選好の円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が整いつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米7ー9月期GDP統計や、米11月シカゴ連銀全米活動指数、米12月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米11月中古住宅販売件数などの米経済指標が目白押し。また、新型コロナウイルス・オミクロン株を巡るヘッドラインや、バイデン米大統領とマンチン米上院議員の交渉に係る続報にも要警戒。クリスマス週で市場参加者の減少が見込まれるものの、本日は上述の通り、イベント目白押しとなるため、ドル円相場のボラティリティ拡大に注意が必要)。
本日の予想レンジ:113.70ー114.40
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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