新規材料乏しいが、オミクロンが不安要因(12/20夕)

週明け20日の東京市場はドルが小安い。ただ、クリスマス週で参加者も少なくなったことは間違いなく値幅は30ポイントほど。大局的にはレンジ取引だった。

新規材料乏しいが、オミクロンが不安要因(12/20夕)

新規材料乏しいが、オミクロンが不安要因

〇本日のドル円、一時113.40円台まで値を下げ、16時現在日中安値圏で推移
〇先週末から113.15-87という72銭レンジ形成、上下どちらにブレークするか注目
〇米大統領オミクロン株に関する演説21日に実施予定、中国人民銀1年8か月ぶり利下げとの報道も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-113.90、 113.87が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は113.15がサポート、割り込めば112円台突入の可能性も

<< 東京市場の動き >>

週明け20日の東京市場はドルが小安い。ただ、クリスマス週で参加者も少なくなったことは間違いなく値幅は30ポイントほど。大局的にはレンジ取引だった。

先週末は、デンマークが「オミクロン感染抑制に向け新規制導入」を明らかにするなど、依然として新型コロナの感染拡大が懸念されるなか、英国のブレグジッド交渉責任者が辞任を発表。様々な憶測を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は113.65-70円で寄り付いたものの、ドルがじり安推移。前述した新型コロナの感染拡大が改めて嫌気されたほか、日米株価がともに大幅安をたどると、それもリスク回避の円買いに繋がっていた感を否めない。夕方に掛けて113.40円レベルまで値を下げ、16時現在でもそのまま日中安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、「大統領が利下げ継続を表明した」とされるトルコリラは本日も弱含み。対円などで連日の史上最安値更新となっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、感染拡大の続く欧州は先のデンマークのほか、フランス首相が「ワクチンを事実上義務化する法案提出」する方針を明らかに。また英紙は、ジョンソン英首相が「家庭内のクリスマスイベント自粛要請などを検討」と報じ、物議を醸していたようだ。さらに欧州以外の動静として、米CNNによると、バイデン米大統領が「21日、オミクロン株に重きをおいた演説を実施する予定」だという。一応注意しておきたい。
対して後者は、中国の習指導部が主導して新たに導入した選挙制度のもとで実施された、初めての香港議会選は予想通り「親中派が圧勝」。ただ、有権者の関心は低く、投票率は過去最低になったもようだ。それ以外でも様々なニュースが飛び交うなか、市場筋の関心を集めていたのが「中国人民銀、1年8ヵ月ぶりの利下げ実施」報道。消費の伸び悩みや不動産開発の停滞で景気の減速感が強まっているなか、金融緩和強化に踏み切ったことは間違いないなさそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週15日、米FOMC後にドル/円は114.27円の高値を示現したが、しっかりとした上抜けに失敗。その後はややドルの冴えない値動きをたどっている。本日東京も一時113.40円台まで一時値を崩しており、さらなる続落をたどるか否かに注目だ。過去1週間程度で見た場合に113.15-114.27円というレンジを形成中で、しばらくはそのなかにとどまるとの見方が優勢。ただ、仮に底割れするすると112円半ばを目指したドルの続落も否定できない。
先週は、日米欧英の金融政策が発表され、それぞれ細かなところで違いはあるものの、米欧は金利正常化を念頭に置いた措置を示した反面、日銀は「大規模な緩和の枠組み維持」を表明していた。スタンスの違いは如実と言えよう。そうしたなか、気掛かりなのは引き続き新型コロナ・オミクロン株だが、さらに米医療当局CDCが「インフルエンザの発生が米国内の多くの場所で現れ始めている」と警告を発したことの続報にも注意したい。医療態勢への負担がさらに増すとの警戒感も強く、場合によってはさらにリスク回避の動きが加速する可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は期間に応じて幾つかのレンジを形成している感があり、もっとも短期かつ狭いレンジはというと、先週末からの113.15-87円という72銭レンジ。本稿執筆時、その中間地点で非常に居心地の良い113.40円台に位置するものを上下どちらにブレークするのかにまずは注目だ。ちなみに、上放れれば114.27円を目指す反面、下放れた場合には112円半ばがターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には、米国との対立など対外要因もさることながら国内要因も気掛かりな「中国情勢」、厳しい感染抑制措置をとる先も多く時計の針が戻っている感もある「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、11月の景気先行指数が発表されるものの、決定している材料はそれぐらい。米国を中心とした通貨当局者らの講演など発言機会もとくには予定されていないようだ。基本的には動きにくそうな雰囲気だが、果たして。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-113.90円。移動平均の21日線も近い先週末高値の113.87円が最初の抵抗。超えれば114円台を回復の芽も出てくることになる。
対するドル安・円高方向は、同じ先週末安値の113.15円がサポートに。底堅いイメージだが、しっかり割り込めば112円台突入の可能性を否定できない。

新規材料乏しいが、オミクロンが不安要因

ドル円日足


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