ドル円、狭いレンジ内で小動き。クリスマス・年末休暇を控え動意に欠ける展開か
〇ドル円、欧州朝方に113.35まで下落するも米国時間にかけ113.70まで反発、方向感見出しづらい
〇ユーロドル、先週の急落の反動等で米国時間にかけ1.1304まで上昇底堅く推移
〇ドル円上下に抵抗帯、支持帯を控えレンジ相場継続が予想される
〇ファンダメンタルズも材料出尽くし感と市場参加者減少で動意薄
〇狭いレンジでの膠着状態を予想、本日の予想レンジ:113.30ー113.90
海外時間のレビュー
週明け20日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出しづらい展開。@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る感染拡大懸念(世界各国で感染者急増→ロックダウン再開リスク→世界経済の先行き不安)や、A上記を背景としたリスク回避の円買い圧力、B米金利低下に伴うドル売り圧力、C中国人民銀行による約1年8ヵ月ぶり利下げ決定(ローンプライムレート1年物を0.05%引き下げ、3.80%へ)、D米民主党ジョー・マンチン上院議員による大型歳出法案への不支持表明と1兆7500億ドル規模への縮小提案(←訂正 ×1兆7500億ドル規模の大型歳出法案への不支持表明)などが重石となり、欧州時間朝方にかけて、一時113.35まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り(ウォラー米FRB理事は先週末金曜日に「3月FOMCでの利上げもあり得る」とタカ派的な見解を発言。一方、黒田日銀総裁は昨日、「まだまだ当分大幅な金融緩和を粘り強く続けていくフェーズではないか」とハト派的な発言に終始)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、一時113.70まで反発しました。米国時間午後にかけて上下するも方向感を見出しづらく、本稿執筆時点(日本時間12/21午前4時35分現在)では、113.65前後で推移しております。
週明け20日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方に一時1.1235まで軟化するも、売り一巡後に下げ渋ると、@先週末金曜日の急落の反動(自律反発)や、A新型コロナウイルス・オミクロン株の英国での感染拡大(12/18に英国ロンドンで市長が重大事態を宣言→対英ポンドでユーロ買いが活発化)、B米10年債利回りの低下、Cユーロ圏10月経常収支(結果181億ユーロの黒字、前月176億ユーロの黒字)の黒字額拡大、D先週のECB理事会で「多くのメンバがインフレの上振れリスクを認めるべきと主張していた」との一部報道(欧州債利回り上昇→ユーロ買い)などが支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1304まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/21午前4時35分現在)では、1.1284前後で推移しております。尚、ドイツ連銀の次期総裁としてナーゲル元独連銀理事を起用する方針が報じられましたが、相場への反応は限定的となりました。
本日の見通し
昨日のドル円相場は113円台半ばで方向感に欠ける値動きとなりました。上方に一目均衡表転換線や基準線といった抵抗帯が控えている一方、下方には112円台半ばに位置する強力な支持帯(11/30安値112.53や12/3安値112.56が並ぶ水準)が並んでいる為、上下共に方向感を見出しづらい時間帯の継続が予想されます(余程大きな材料が出てこない限りレンジブレイクは困難)。ファンダメンタルズ的に見ても、材料出尽くし感(先週の日米欧英の主要中銀イベントを以て今年の重要イベントが全て終了)と、市場参加者減少(クリスマス休暇入り+年末年始休暇入り→市場参加者減少→動意薄)が重なることから、方向感を見出すには至らないと考えられます。以上を踏まえ、当方では狭いレンジ内での膠着相場を本日のメインシナリオとして予想いたします(但し、新型コロナウイルス・オミクロン株に関するヘッドラインには留意が必要)。
本日の予想レンジ:113.30ー113.90
注:ポイント要約は編集部
ドル円日脚
オーダー/ポジション状況
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