12月相場入りで、状況に変化あるのか注目(12/1夕)

1日の東京市場はドルが小高い。前日NY時間に112円半ばまで一時下落したものの、そこから1円強の反発をたどるなど戻りも速い。

12月相場入りで、状況に変化あるのか注目(12/1夕)

12月相場入りで、状況に変化あるのか注目

〇本日のドル円、16時現在日中高値圏113.60-65をキープ、昨日112円半ばまで下落するも戻り早い
〇オミクロン株への不安感が一背景、12月相場入りで更なる乱高下の可能性も
〇本日は米11月ADP雇用統計、同ISM製造業景況指数、引き続き連銀議長ら証言に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.70-114.00、まずは114円の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は113円前後が引き続き弱いサポート、昨日安値112.54がターゲットか

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場はドルが小高い。前日NY時間に112円半ばまで一時下落したものの、そこから1円強の反発をたどるなど戻りも速い。

ドル/円は113.10円レベルで寄り付いたのち、ドルは緩やかな右肩上がり。大きな流れとしては「寄り付き安・大引け高」の様相だった。日米株価の動きなどをにらみつつ、夕方には日中高値の113.60-65円まで上昇。16時現在、ドル/円はそのまま日中のドル高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。
なお、円は対ドル以外でも弱含み、ほぼ全面安の様相だったが、逆にトルコリラ/円はわずかだが小安い。前日記録したリラ安値を更新することは出来なかったものの、終日低位揉み合い。

一方、材料的に注視されていたものは、「オミクロン変異種」と「FRB議長らの議会証言」について。
前者は、引き続き「オミクロン株」に関する話題がマーケットを席巻。ついに日本でも感染者が発見されるとともに、70人ともいわれる大量の濃厚接触者も観測されていたことが話題に。そうしたなか、WHO事務局長が「アフリカ諸国に不当なペナルティーを課している」などとして、オミクロン株への過剰反応に懸念を表明したほか、米メルクはプレゼンテーションのなかで「新型コロナ経口薬はどんな変異株にも有効」と発表、市場の悲観論後退に動いていたようだ。
対して後者は、パウエル氏が出席した議会証言で「数ヵ月早いテーパリング終了も検討」などと発言したほか「インフレに関する『一過性』の表現をやめるときが来た」とも述べ、タカ派に転換した可能性が取り沙汰されていた。一方、イエレン米財務長官は、新型コロナの感染拡大に警戒を示しつつも、「米国の回復は引き続き堅調だと確信している」とし、強気の姿勢を示している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は年初来高値115円半ばから3日で3円近い下落をたどったのち、一日経たずに今度は1円強の反発となかなか激しい上下動だ。そうした乱高下の背景のひとつに新型コロナ・オミクロン株があることは間違いないが、市場は米感謝祭を過ぎ名実ともに12月相場入りした。これから商いがさらに薄くなることを考えると、さらに荒っぽい変動をたどる可能性も否定できない。
日米欧英など各国の金融政策に依然として注目。前述したように、昨日はパウエル氏が量的緩和縮小を前倒しして終わらせる可能性があることを示唆しており、単純な金利差という意味ではやはり円を積極的には買いにくい。ただ、それとは別にここ最近は新型コロナ・オミクロン株に関する報道に一喜一憂している感は否めず、本日も続報など関連ニュースには要注意だ。まだ米国で感染者が発見されたとの話は伝わっていないが、仮にそうした状況となればドルが再び売り込まれても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円はここ数日ドルの下値を少しずつ切り下げている。オミクロン株に対する警戒感は依然として強く、リスクは引き続き下方向にバイアスが掛かりそうだ。そうした意味では、昨日のドル安値112.54円をめぐる攻防がまずは注目されそうで、もし届かなければ、しばらくのあいだ112.50-115.50円といったやや広めの新レンジを形成することになる。

材料的に見た場合、中長期的には、新型コロナ感染拡大もあり来年の北京オリンピック開催への黄信号も指摘されている「中国情勢」、オミクロン株への薬効があるのか否かコロナワクチンへの関心が日に日に強まっている「新型コロナ問題」、「原油供給問題」、「日米欧英などの金融政策」−−などに注目。

一方、本日は米経済指標として、11月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表される見込みだ。週末の米雇用統計発表を前にした露払い的な指標として、どの程度の改善を示すのか注視している向きも少なくない。また、昨日に続き本日もパウエルFRB議長とイエレン財務長官が議会証言を行う予定で、そちらを重ねて要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.70-114.00円。前述したように、直近高値115.52円を起点とした下げ幅の半値戻しがおおよそ114円。まずはその攻防に注目だ。抜ければ115円近くまでの戻りは早い。
対するドル安・円高方向は、113円前後が引き続き弱いサポートではあるものの、意識されるものはやはり昨日安値の112.54円か。ここ数日、ドルの下げ足が速いことも気掛かりだ。

12月相場入りで、状況に変化あるのか注目

ドル円日足


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