ドル高の流れ続くが調整の動きにも要注意(11/24夕)

24日の東京市場はドルが小安い。一時115.25円近くまで値を上げ、前日記録した戻り高値を更新したもののドル高は続かなかった。

ドル高の流れ続くが調整の動きにも要注意(11/24夕)

ドル高の流れ続くが調整の動きにも要注意

〇本日のドル円、115.25レベルまで値を上げるもドル高続かず、16時現在114.95-00で推移
〇ドル大幅続伸の可能性の一方、調整の動き強まればドル安進行との見方も
〇本日は7-9月期米GDP統計改定値、新規失業保険申請件数など発表予定
〇雇用とインフレ関連指標への関心高い、予想値との乖離による市場値動きに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.30-115.30、 115.25レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は昨日安値114.49の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場はドルが小安い。一時115.25円近くまで値を上げ、前日記録した戻り高値を更新したもののドル高は続かなかった。

ドル/円は115.05-10円で寄り付いたのち、ドルは小じっかり。上値も重いが下値も堅く、そうしたなか前日の戻り高値を超える115.25円近くまでじりじりと上昇している。しかし、高値を示現後は逆にややドル売り優勢。一時115円を割り込む局面も。16時現在ではドル安値圏である114.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、対円では昨日だけで15%を超える下げ幅を記録したトルコリラは本日も冴えない。ただ、昨日安値を下回ることはなく、低位揉み合いの様相だった。
一方、材料的に注視されていたものは、「戦略石油備蓄放出と原油相場」と「中国情勢」について。

前者は、複数メディアで事前に伝えられていたとおり、昨晩バイデン米大統領が「他国と協調で戦略石油備蓄を放出する方針」を示したほか、インドなども追随。原油先物は一時急落したものの、影響は続かずスグに反騰高をたどっている。また、そののち日本も協調スタンスをとることを明らかにしたが、やはり効果は限られ、原油高傾向に大きな変化はみられない。なお、そうしたなかUAEのエネルギー相は、「OPECによる原油増産は非論理的」などと述べたとされていた。
対して後者は、消息不明だった中国の女子プロテニス選手・彭帥さんをめぐり、メディアを通じた情報合戦の様相に。IOCのバッハ会長が「テレビ電話で会話した」として無事をアピールしたことに国際人権団体が噛み付き、「中国政府のプロパガンダを助長してはならない」と批判する声明を出している。一方、それとは別に、中国とロシアの関係強化の動きが目に付く。例えば「プーチン露大統領が北京五輪出席で調整」と伝えられたほか、中露国防相が会談を行い日本海空域などでの「合同パトロールの強化で一致した」という。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はついに115円の壁を超えただけでなく、本日東京時間には小幅に続伸。115.25円レベルまで値を上げている。リスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かりそうで、次の上値メドは前回115円台を付けていた2017年3月高値の115円半ばとなりそう。さらなるドルの上値追いにも一応要注意。なお、今年ここまでのドル/円相場をザックリ言えば「年初安の現状高」。断定するにはさすがに早いが、「年初安・年末高」という年間を通してほぼ一本調子のドル高進行をたどった2012年や2013年のような動きを見込む声も聞かれ始めていた。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されるなか、本日はまず発表される米経済指標に注目だ。明日がサンクスギビングデーでNY休場となることもあり、通常であれば毎週木曜日に発表される週間ベースの新規失業保険申請件数が前倒しで本日発表されるなど、いつもよりも材料は多めか。また、依然として新型コロナの状況と原油供給問題を不安材料と捉える向きも多く、関連情報には注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は「しっかり乗せた」というにはまだ不安定だが、それでも115円を再び超えるなど、ドル高方向への流れは依然として変わらず。次のターゲットは115円半ばで、それを超えると明確な上値メドは117円台まで見当たらない。ドルは大幅続伸をたどる可能性もある。
ただ、明日の米休場を前に米国勢などによる駆け込み的な需給要因を警戒する声も少なくない。調整の動きが強まれば、一転してドル安が進行するとの見方も取り沙汰されていた。

材料的に見た場合、中長期的には台湾情勢や不動産リスク、北京五輪などいまだ問題山積みの「中国情勢」、日米などの戦略備蓄取り崩しも影響軽微で次の一手が注視される「原油供給問題」、「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、7-9月期GDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される見込みだ。なかでも、雇用とインフレ関連の指標への関心が高く、予想値との乖離次第で為替市場は荒っぽい値動きをたどる可能性も否定できない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.30-115.30円。本日東京で記録した115.25円レベルが最初の抵抗。抜ければ115円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の114.49円の攻防に注目。底堅いイメージだが、いったん下げ始めると意外に早いとの指摘も聞かれている。

ドル高の流れ続くが調整の動きにも要注意

ドル円日足


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