NZ中銀の金融政策記者発表要旨
本日、NZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の0.50%から0.75%に利上げを実施しました。予想通りの利上げを実施し、年内最後の金融政策を締め括りました。またこの先の金融政策でも緩和策を縮小していくことで合意しています。
内容は概ね予想通りとなり、NZドル米ドル相場は、発表前に0.6940付近で推移していましたが、NZドルのジリ安推移を辿り0.6905まで売られています。ドル全面高の展開にオセアニア通貨も弱い流れになっています。また、経済見通しを全般的に上方修正していますので、いずれ材料視される時期が来ると思います。
以下はNZ中銀金融政策記者発表要旨です。
(要旨の一部和訳)
金融政策委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を0.75%に引き上げることで合意した。委員会は、物価安定を維持し持続的な最大雇用を支えられるように、金融刺激策の引き下げを続けることが適切であると合意した。
世界経済活動の水準は、金融緩和策や財政政策の支援、Covid-19による制限の緩和により上昇を続けている。しかしながら、長期にわたるCovid-19ウィルスによって高まる不確実性の為に、世界経済成長のペースは下がっている。
世界的な供給チェーンの混乱は、消費需要が強い時期に、コスト高圧力と生産制約の双方を引き起こしている。世界的に中銀は、金融緩和策の水準を下げる必要性やタイミングを査定しながら、一時的な物価上昇と持続的なインフレ圧力との狭間にあるこの差異の挑戦に直面している。
NZの公共衛生の制限はCovid-19防御フレームワークへの移行に伴い緩和された。フレームワークは人々、商品、あるいはサービスのより大きな移動を可能にする。
保健局に管理され、ワクチン接種済の人々が被る被害は減ったとしても、制限解除によりCovid-19ウィルスはより地域的に広がっていくことが予想される。直近のこれら健康に関する不確実性により、家計消費や企業投資は削がれるだろう。
最近の国内のロックダウンは、オークランド、北部、ワイカト(NZ北島の中西部)地方でより長引き、その他の地域ではレベル2の制限が続けられ、経済活動の急激な縮小をもたらした。これらロックダウンにも関わらず、現行経済の強さは、家計や企業のバランスシートの強さ、財政支援、そして強い輸出の見返りによって支えられている。
稼働率への圧力はタイトな状況が続いている。例えば、雇用は今では最大の持続可能な水準を超えている。幅広い経済指標はNZ経済が現在の潜在力を越える状況であることを強調している。
消費者物価総合指数は、今後2年間に亘り2%の中央値に戻る前に、直近で5%を越えると予想されている。直近のインフレ上昇は原油価格高、輸送コスト高、供給不足により際立っている。これら即時に跳ねかえる相対的な物価ショックは現在の国内生産稼働能力の制約を考えると、より一般的に価格上昇を生み出すリスクがある。
委員会は、インフレと雇用の中期見通しを考えると、金融刺激策のさらなる撤廃が時間経過と共に予想されると指摘した。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
尚、今回の経済見通し予想は以下の通り改訂されています。
中銀のOCR見通し
尚、今回の経済見通し予想は上記の通り改訂されています。
中銀のGDPとCPI見通し
尚、GDPの伸びの大きさは第3四半期が▼7.0%予想となっているからと思われます。8月時の3Q予想は+0.8%でした。
NZドル米ドル相場は、シカゴポジション309内をご参照願います。NZドル安トレンドライン0.6790〜0.7140で推移しており、この間の0.6920のサポートラインを割っているので、次は0.6860〜70方向を試す流れにいます。
(11月24日13:45、1NZドル=0.6899米ドル)
次回のNZの金融政策は2022年2月23日(水曜日)に予定されています。
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