価格調整の様相強まる、ドル続落にも注意(11/9夕)

9日の東京市場はドルが弱含み。10月11日以来、およそ1ヵ月ぶりの113円割れが観測されるなどドル売り・円買いが優勢だった。

価格調整の様相強まる、ドル続落にも注意(11/9夕)

価格調整の様相強まる、ドル続落にも注意

〇本日のドル円、一時112.70-75まで値を下げ、約1ヵ月ぶりの113円割れが観測される
〇過去2週間程度たどった113.20-114.50レンジを底割れ、ドルの続落に要注意
〇ドル/円、これまでドル高の時間調整に入っていたが、価格調整へ変化した様相
〇目先の強いサポートだった113.25や113円を下回り、次のターゲット112円半ばをめぐる攻防に注目
〇本日は10月生産者物価指数発表、米財務省による10年債入札、要人発言の機会予定される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.40-113.40

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場はドルが弱含み。10月11日以来、およそ1ヵ月ぶりの113円割れが観測されるなどドル売り・円買いが優勢だった。

ドル/円は113.20-25円で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。前日のドル安値圏である113.10円前後では下げ渋りが観測されていた。しかし底割れすると、そのまま約1ヵ月ぶりの113円割れへ。日米株価の動きなどをにらみつつ、一時112.70-75円まで値を下げ、16時現在でもドルは日中安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは堅調裡。一時68000ドル台まで上昇し、史上最高値を再び更新する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「FRB情勢」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンス大が、新型コロナの累計感染者数について「2億5000万人を突破した」と発表。世界で感染再拡大の兆しが観測されるなか、とくに欧州地域の警戒感は強い。実際、デンマークやオーストリアは感染拡大が確認されたことで、それぞれ規制強化の動きに踏み切ることが明らかとなった。なお、そうした環境下、欧州医薬品庁は米製薬大手メルクの新型コロナ感染症の飲み薬について、可能な限り早く推奨する姿勢を示している。
対して後者は、米金融政策について、たとえばクラリダFRB副議長は「利上げ条件は来年末までに満たされる」、セントルイス連銀総裁「22年に2回利上げを実施する」、シカゴ連銀総裁は「利上げは23年を想定」−−などと発言していた。その一方、「クオールズFRB理事が12月末に退任する」と正式発表されたうえ、ブルームバーグは「バイデン米大統領がブレイナード理事にFRB議長の職について聞き取りをした」と報じ話題となっていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週のドル/円相場は、過去2週間程度ザックリ言って113.20-114.50円といったレンジをたどっていたが、昨日欧米から本日東京時間に掛けて底割れしてきた。前述したように、本日東京夕方時点では1ヵ月ぶりとなる112円台。米FOMCや雇用統計発表でも示されなかった次の方向性が、ようやく明確になり始めた感もあり、ドルの続落には要注意。ちなみに、テクニカルから見たドルの下値メドは112.55円で、まずは同レベルの攻防に注目だ。
日米英欧などの金融政策が引き続き観測を集めるなか、年末をにらみつつ市場は様相が混とんとしてきた。高値圏ながら不安定な推移をたどる原油相場や、新型コロナの感染再拡大懸念なども金融市場にとってのかく乱要因となっている。ドル/円は足もとドル高の調整が優勢になっている感があるものの、米株や金利の動き次第では「ダマシ」となる可能性もあるだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円はこれまでドル高の「時間調整」に入っていたものの、昨日から本日に掛けて「価格調整」へと色彩が若干変化した感がある。いずれにしても、目先の強いサポートだった113.25円や113円などを下回っており、次のターゲットは112円半ば。ちなみに、9月のドル安値109.12円を起点とした上げ幅の38.2%戻しも112.55円となる。同レベルを下回ると、さらなる深押しから112円割れも。

材料的に見た場合、中長期的には、子会社株を再び売却するなどデフォルト回避の動きがかまびすしい恒大集団の動きが引き続き注視されている「中国情勢」、感染拡大懸念がさらに高まってきた「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の生産者物価指数が発表されるほか、米財務省による10年債の入札も実施される見込みだ。また、パウエルFRB議長をはじめ、欧米当局者などによる講演やイベント参加は本日も数多く、要人発言には一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.40-113.40円。これまでのサポートだった113.25-40円が今度は抵抗に。抜ければ、113.80円レベルを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の112.70-75円、そして112.55円などが下値メドとして意識されている。底堅いイメージもあるが、仮に割り込むようだと下げ足も早そうだ。

価格調整の様相強まる、ドル続落にも注意

ドル円日足


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