ドル円、米金利低下を背景に約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。今晩は米CPIに注目(11/10朝)

9日(火)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、米金利低下を背景に約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。今晩は米CPIに注目(11/10朝)

ドル円、米金利低下を背景に約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。今晩は米CPIに注目

〇ドル円、株式市場の軟調と米長期金利の低下にアジア時間に113円割れ
〇米国時間に一時113円台を回復するも反落、112.84前後で取引
〇ユーロドル、1.16を挟んで方向感に欠ける動き1.16台の重さ目立つ
〇ドル円、テクニカルには昨日アジア時間に一ヶ月ぶり安値112.72をつけ7営業日連続の陰線
〇目先、昨日サポートとして機能した基準線(112.78)を死守できるかに注目が集まる
〇ファンダメンタルズはドル買い・円売りトレンドの継続を意識させる材料も残る
〇本日の予想レンジ:112.50ー113.20

海外時間のレビュー

9日(火)のドル円相場は上値の重い展開。@米当局者による前日のハト派的な発言(クラリダFRB副議長やフィラデルフィア連銀ハーカー総裁など)や、A株式市場の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)、B米金利低下に伴うドル売り圧力、C心理的節目113.00を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、アジア時間にかけて安値112.72(10/11以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。米国勢参入後に一時113.11まで反発するも上値は重く(113円台では戻り売り意欲が根強く)、伸び悩むと米国時間午後にかけて再び反落。D米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは9/24以来となる1.41%へ低下)や、E米主要株価指数の下落に伴うリスク回避の円買い圧力も重石となる中、本稿執筆時点(日本時間11/10午前5時00分現在)では、112.84前後で推移しております。尚、昨日は一部メディアより「バイデン米大統領が遅くとも11/25のサンクスギビングデーまでに来年2月に満期を迎えるパウエルFRB議長を続投させるかブレイナードFRB理事に後退するか決定する方針」との報道がなされましたが、市場の反応は限定的となりました。

9日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@米当局者によるハト派的な発言(クラリダFRB副議長やフィラデルフィア連銀ハーカー総裁など)を背景に、欧州時間朝方にかけて高値1.1608まで上値を伸ばすも、レジスタンスポイントが密集する1.1600前後(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドなど)で続伸を阻まれると、A欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力や、B先週来続いたドル売りの巻き戻しが重石となり、米国時間朝方にかけて安値1.1570まで反落しました。

その後、C米長期金利の低下や、Dオランダ中銀クノット総裁によるタカ派的な発言(ECBは上向きシナリオに備える必要がある)を受けて再び1.1608まで反発する場面も見られましたが、上述の通り複数のレジスタンスポイントが控える1.1600絡みで続伸を阻まれると、E米主要株価指数の下落や、F上記Eを背景としたリスク回避のドル買いが重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/10午前5時00分現在)では、1.1594前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ11月ZEW景況感指数(結果31.7、予想20.0)は市場予想を上回る力強い結果となりましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時112.72(10/11以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下落するなど、上値の重い展開が続いております。日足ローソク足も7営業日連続での陰線が継続しており、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は昨日サポートとして機能した一目均衡表基準線(112.78)を死守できるか否かに注目が集まります。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、日米金融政策の方向性の違い(来年6月のテーパリング終了+来年7月の利上げ開始が織り込まれつつある米国と、金融緩和脱却の糸口すら掴めていない日本との金融政策格差)や、世界的なインフレ懸念(昨日は再び原油価格が急上昇。インフレ高進を背景に新興国から米ドルへの資金流入が見込まれる他、本邦においても資源価格上昇に伴う円の実質金利低下を通じて円売りが促される公算大)など、ドル買い・円売りトレンドの継続を意識させる材料も残っております。

こうした中、本日は日本時間22時30分に予定されている米10月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。CPIが市場予想を上回る結果となる場合には、インフレ懸念再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路で先週来売り込まれてきたドル円が巻き戻される可能性があるため、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします(ドル売りの巻き戻しに要警戒)。尚、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけての、ドル買い・円売り(ドル不足)にも注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:112.50ー113.20

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利低下を背景に約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。今晩は米CPIに注目

ドル円日足

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