米株の動き要注目ながら、為替は基本レンジ取引か
〇本日のドル円、113.55-65といった強保ち合い記録、16時現在113.60前後で推移
〇113.20-114.50でのレンジ取引しばらく継続か
〇先週堅調推移の米株高、続けば円売られやすい地合いも継続
〇本日は米FRB議長など要人発言、米財務省3年債入札に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.00、113.65-70超えると114円前後目指す展開か
〇ドル安・円高方向は113.20-40が強いサポートゾーン、113.30は容易に割り込めずとみる
<< 東京市場の動き >>
週明け8日の東京市場はドルが小高い。レンジは狭いがドルは終日高値圏での推移で、見た目以上に強い印象だった。
先週末は、バイデン米大統領がパウエルFRB議長とブレイナード理事にそれぞれ面会したことが明らかとなり、近くFRB議長指名人事が発表されるとの思惑が聞かれていた。また、ドローンを使ったイラク首相暗殺未遂事件が起こったことも、そこここで話題になっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた113.30-35円を日中安値にじり高推移。頭は重いがそれでも113.65-70円まで値を上げ、そののち終盤に掛けては113.55-65円といった強保ち合いを記録していた。16時現在では113.60円前後で推移、欧米市場を迎えている。
なお、東京時間にNZドルやランドが興味深い動き。とくに対円では安寄りしたが、その後は逆行高。ランド/円でいえば、早くも先週高値を超え一時7.6円レベルを示現する局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日米貿易問題など」について。
前者は、欧州を中心とした感染拡大が引き続き懸念されるなか、フランス報道官から「マクロン大統領が新型コロナ感染再拡大などについて9日に国民演説を行う」と発表されていた。そうしたなか、ブリンケン米国務長官は「10日にコロナ対応協議の外相会合をオンライン形式で開催する」と発表。「ワクチンの公平な分配の加速に向けた取り組みについて協議する」ことを明らかにしていた。
対して後者は、先週末5日に萩生田経産相とレモンド米商務長官が40分間の電話会談を行うなか、週末に米商務省は「レモンド氏が15日に日本を訪れる」ことを明らかにした。直接的な会談により、日本から輸入する鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税の扱いや半導体のサプライチェーン(供給網)を話し合うという。一方、それとは別に米通商代表部(USTR)のタイ代表も15日から日本を訪れる予定だ。俄かに日米貿易問題が緊迫度を増してきたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
先週のドル/円相場は、上下に振れるなかなか荒っぽい変動をたどるも、終わってみればレンジ内。米FOMCや雇用統計などの注目材料があったものの、結局レンジブレークはできなかった。依然として、次の方向性はハッキリしない。過去2週間程度推移する113.20-114.50円といったレンジ取引が、もうしばらく続いても不思議はなさそうだ。
先週は米英豪の中銀がそれぞれ金融政策を発表。程度の差こそあれ、いまだデフレ環境下にあり、超低金利政策継続の日本との違いは明確だ。いわゆる「金利差」に着目した場合、円は対ドル以外でもやはり積極的に買いにくいと言わざるを得ない。むしろ、先週は週間を通して堅調に推移した米株高が今週も続くようなら、為替市場ではドル/円などで円が売られやすい地合いも継続する可能性がある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は中期ドル高基調のなかの時間調整局面。早くも114円を中心とした往来相場は2週間を超えてきた。もちろん、そんなレンジ取引が続く可能性も否定できないが、日柄的にはそろそろ次の方個性が示されても不思議はない。レンジ継続にバイアスをかけつつも、保ち合い放れの可能性にも十分注意しておきたいところだ。上方向に放れれば115円台乗せ、下方向ならまずは112円半ばがターゲットに。
材料的に見た場合、中長期的には、送電会社・中国国家電網が冬に再び電力需給逼迫の危険性を指摘し思惑を呼ぶ「中国情勢」、10日の外相会談を注視も新味は乏しそうな「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表がないものの、クラリダFRB副議長やパウエルFRB議長をはじめとする米当局者の講演やイベント参加は数多い。要人発言が波乱要因になり得るか。また米財務省による3年債の入札も実施される見込みで、こちらも一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.00円。本日東京高値である113.65-70円が弱い抵抗で超えると114円前後を目指す展開か。ただ上抜けても頭は重そう。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは過去2週間程度のあいだに幾度も下げ止まっている113.20-40円がかなり強いサポートゾーン。先週末も113.30円がドルの安値だった。容易に割り込めるとも思えない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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