ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏へ下落するも113円台は死守。反発リスクに警戒(11/9朝)

週明け8日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏へ下落するも113円台は死守。反発リスクに警戒(11/9朝)

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏へ下落するも113円台は死守。反発リスクに警戒

〇週明けのドル円、米長期金利上昇に欧州朝方113.64まで上昇
〇米国時間朝方にはパウエル議長講演への警戒感に113.08まで反落
〇パウエル議長は米景気、金融政策に言及せず、113.26レベルに持ち直す
〇ユーロドル1.1551-95レンジで底堅い動きとなるも、ECB当局者からはハト派発言相次ぐ
〇ドル円、転換線、21日線下抜け、テクニカルの地合い悪化
〇ファンダメンタルズはドル買い円売り材料多くここからの下落は容易でない
〇本日、明日の米物価指標、米欧記入当局者発言に注意、11/7より米冬時間で指標発表後ろ倒し
〇本日の予想レンジ:113.00ー113.70

海外時間のレビュー

週明け8日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@米長期金利の上昇(米10年債利回りは先週末金曜日に記録した1.43%から1.50%へ上昇)や、A先週末金曜日に加速したドル売りの自律反発、B本邦輸入企業によるドル買い圧力、C株式市場の底堅い動きが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて高値113.64まで上昇しました。しかし、米国勢参入後に伸び悩むと、DパウエルFRB議長講演を控えた警戒感(ハト派的な発言が出てくるとの警戒感)や、E上記Dを背景としたドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて安値113.08まで反落しました。もっとも、心理的節目113.00をバックに下げ渋ると、FパウエルFRB議長より米景気や金融政策に関する発言が出てこなかったことに対する安堵感や、G米主要株価指数の堅調推移、Hセントルイス連銀ブラード総裁による「2022年に2回の利上げを見込む」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/9午前5時00分現在)では、113.26前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け8日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。@レーンECB専務理事による「インフレは一時的な局面にあり常態化する兆しはない」とのハト派的な発言や、A米長期金利の反転上昇が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1551まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、BパウエルFRB議長講演を控えた警戒感(ハト派的な発言が出てくるとの警戒感)や、C上記Bを控えたドル売り圧力、Dユーロ圏11月投資家信頼感指数(結果+18.3、予想+15.0)の良好な結果が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1595まで反発しました。もっとも、心理的節目1.1600をバックに伸び悩むと、EパウエルFRB議長より米景気や金融政策に関する発言が出てこなかったことに対する安堵感や、FラガルドECB総裁による「現在の高いインフレは一時的なもの」とのハト派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/9午前5時00分現在)では、1.1588前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日に記録した安値113.29を下方ブレイクすると、一時113.08(10/12以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。一目均衡表転換線や21日移動平均線も下抜けしており、テクニカル的に見て、地合いの悪化(上値の重さ)を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、@ダウンサイドにボリンジャーバンド下限や、A一目均衡表基準線、B心理的節目113.00、C10/12安値113.00といった主要チャートポイントを複数控えていること、ファンダメンタルズ的に見て、D日米金融政策の方向性の違い(ドル買い・円売り圧力)や、E株式市場の堅調推移(テーパー・タントラムが発生しなかったことに対する安堵感)、F世界的なインフレ懸念(インフレヘッジ目的のドル買い圧力や、円の実質金利低下に伴う円売り圧力)といったドル買い・円売りを想起させる材料が複数残っていることなどを踏まえると、ここからの更なる下落は容易では無いと判断できます(足元の下落はあくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)。

こうした中、本日は日本時間22時30分に予定されている米10月生産者物価指数(PPI)に加えて、欧米の当局者発言(ラガルドECB総裁、オランダ中銀クノット総裁、セントルイス連銀ブラード総裁、パウエルFRB議長、サンフランシスコ連銀デーリー総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁)に注目が集まります。PPIが市場予想を上回る場合や、ブラックアウト期間明けの米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合などには、米インフレ懸念再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円にも上昇圧力が加わるものと推察されます(明日11/10に発表される米10月消費者物価指数を前に先週末金曜日に広がったドル売りの巻き戻しが発生する可能性にも要注意)。また、欧州当局者よりハト派的な発言が見られる場合にも、対ユーロでのドル高を通じて、ドル円に上昇圧力が加わる可能性があるため、本日はドル円のアップサイドリスクに注意を要する1日となりそうです。尚、米国では11/7より夏時間から冬時間に移行した為、米経済指標の発表がこれまでより1時間後ろ倒しとなっている点に留意が必要です。

本日の予想レンジ:113.00ー113.70

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏へ下落するも113円台は死守。反発リスクに警戒

ドル円日足

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