調整局面だが下値も堅くレンジの公算(10/25夕)

週明け25日の東京市場はドルが小じっかり。113.40円台で底堅いものの、上値も重く113円後半では上げ渋りの様相だった。

調整局面だが下値も堅くレンジの公算(10/25夕)

調整局面だが下値も堅くレンジの公算

〇本日のドル円、113.40円台で底堅い動き、日中高値113.80-85までと上値も重い
〇FOMCでテーパリング開始が市場コンセンサスに、ポジション調整先行との見方も
〇本日は9月シカゴ連銀全米活動指数、10月ダラス連銀製造業活動指数、米企業決算発表に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.10、114円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、フィボナッチポイント113.35-40めぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

週明け25日の東京市場はドルが小じっかり。113.40円台で底堅いものの、上値も重く113円後半では上げ渋りの様相だった。

先週末は、ブルームバーグが北アイルランド情勢をめぐり「EUは英国との通商協定破棄も検討する可能性」と報じ話題に。また別途、新型コロナや恒大集団に関するものなど、中国関連ニュースが数多く伝えられ、市場参加者だけではなく多くの目を引いていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は113円半ばで寄り付いたのちすぐに日中安値を示現し、その後は底堅い値動きをたどっている。しかし、日中高値は113.80-85円までと上値も重い。株価や金利の動きに一喜一憂しつつも、ドル/円は大枠でレンジ取引。明確な方向性を見いだせないまま、16時現在、ドル/円は113.70-75円で推移し欧米市場を迎えていた。
なお、トルコリラは対円で上方向にギャップを空けて寄り付いたほか、終日を通して弱含み。週末、トルコ大統領が外務省に「欧米など10大使の追放を指示した」ことが明らかになり、嫌気した売りが寄り付きから優勢だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、国内要因として中国全人代において、日本の固定資産税にあたる「不動産税」の試験導入が決定されたほか、深刻な電力不足に対応するため「習主席が国内油田視察しエネルギー自給を訴えた」ことを政府自らが発表している。また、別途対外要因としては、「合同パトロール」と称し中国海軍がロシア軍とともに日本列島を一周したほか、海事局が実効支配強化狙いのためか、南シナ海に1万トン級巡視船を配備。さらには、インドやアフガニスタンからのイスラム過激派の流入を念頭に、国境警備を強化する法案が可決されていた。軋轢があちこちで強まりつつあることは間違いない。

対して後者は、ドイツのコッホ研究所が「コロナ国内感染が再び拡大した」ことを発表。28日から首都モスクワがロックダウンへと入るロシア情勢などとあわせ、思惑を呼んでいた。その一方で、カナダが2020年3月に発令した国民に対する不要不急の海外渡航中止勧告を解除するなど、明るいニュースも一部で伝えられていたが、逆に中国ではデルタ株が再拡大し「31日開催予定の北京マラソンが延期」されている。世界的な流れとしては、再び危険を意識しておく必要があるのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は20日に114.69円まで上昇したものの、その後の展開を見ると調整局面入りした感を否めない。短期的なドルの上値トライは一旦仕切り直しとなった可能性がある。問題は価格調整かそれとも時間調整のいずれになるかだが、本日東京などを見る限りでは時間調整の感も。ただ、安値109.12円を起点とした上げ幅のフィボナッチポイント23.6%押しに当たる113.35-40円をしっかり下回れば、さらなる下押し、価格調整の色彩が濃くなることになりそうだ。
米金利動向への関心はいまだ高く、来週予定されている11月のFOMCでテーパリングが開始されるとの見方がもはや市場のコンセンサス。日米金利差などを考えると、積極的なドル売り・円買いには動きにくい状況だが、ポジション的にはかなり偏っており、実際シカゴIMMの投機的な円ショートポジションは2018年12月18日週以来の高水準へと積み上がっている。今週は、週間を通して来週FOMCを前にしたポジション調整が先行するとの声も少なくない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は中期的なドル高傾向継続も、目先の高値トライは仕切り直しか。ややワイドながら、来週のFOMCなどをにらみつつ113.00-114.70円といったレンジ取引をたどる可能性もある。ただ、敢えてリスクを指摘すればドル安方向にバイアがかかるとみられるだけに、予想以上のドル安進展にも一応注意としておきたい。ちなみに、前述したフィボナッチポイントの38.2%押しは112.55円だ。

材料的に見た場合、中長期的には、電力不足と新型コロナのパンデミックから経済の大幅減速も取り沙汰されはじめた「中国情勢」のほか、欧州を中心とした感染の再拡大懸念が高まりつつある「新型コロナ」、月末の衆院選まで1週間を切った「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月のシカゴ連銀全米活動指数や10月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、フェイスブックなどの米企業決算発表を注視している向きも少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.20-114.10円。本日東京で超えられなかった114円が最初の抵抗。超えれば先週末高値114.20円などを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、先週末や本日東京も下げ止まったフィボナッチポイントの113.35-40円をめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージながら、下回ると113円割れも視界内に入ってくる。

調整局面だが下値も堅くレンジの公算

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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