ユーロドルECB理事会でも動けずもみあい継続の流れか(週報10月第4週)

先週のユーロは、一週間のレンジが97pipsと先週の99pipsよりも更に狭い値幅での取引となりました。

ユーロドルECB理事会でも動けずもみあい継続の流れか(週報10月第4週)

ECB理事会でも動けずもみあい継続の流れか

〇先週のユーロ、一週間のレンジ97pipsと狭い値幅での取引、方向感ないもみ合い相場続く
〇今週はECB理事会、主要国7〜9月期GDP速報値、ユーロ圏CPI速報値発表予定
〇ECB理事会後、緊急債券購入プログラム終了時期に関しラガルド総裁発言に注意
〇英国ブレグジット合意破棄検討との報道も、ポンドの上値抑える潜在的要因となり得る
〇今週は1.1600レベルをサポートに、1.1700レベルをレジスタンスとする週とみる

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、一週間のレンジが97pipsと先週の99pipsよりも更に狭い値幅での取引となりました。ユーロの動きに影響を与えるような大きな材料も無かったことから、ドル円の動きに引っ張られたユーロ円の動きに影響を受けたり、米金利の動きを見てドルの動きとなったりはしたものの方向感ははっきりせず、週初に水準を切り上げる動きが見られた後は、横方向のもみあいで狭いレンジの中での細かい上下に終始していました。

今週は木曜のECB理事会、金曜の主要国7〜9月期GDP速報値とユーロ圏CPI速報値と週後半に重要イベントが集中しています。週初から水曜までは引き続き先週同様に方向感が出ないままのもみあい相場となる可能性が高いと見ています。ECB理事会は現状維持ではあるものの緊急債券購入プログラムがいつ終わるのかについては、理事会後のラガルドECB総裁の会見で何らかの言及があるかどうか注目されます。

また金曜の主要国7〜9月期GDP速報値ですが、前回(4〜6月期)は3期ぶりにプラスとなり、引き続き強めの数字が出るとの予想ですが、予想に比べて実際はどうなのか、数字を見た上での一時的に動きが出やすくなりそうです。

また金曜日に下げたポンドですが。2週間前からヘッドラインが出始めたアイルランドと北アイルランドの国境問題(通関の事務手続きなど物の移動に関する問題)がネックになっている様子です。先週も書いた通り週初時点ではEU側が英国に対して譲歩案を示したものの英国側は妥協はせず、金曜にはブレグジット合意の破棄を検討とのニュースも出てきました。EU側が英国に対して譲歩する姿勢を示した後の強気反応という点からいつもの更なる譲歩引き出し作戦とも取れますが、ポンドにとってもユーロにとっても今後は売り材料となる懸念があり注意しておきたいところです。

テクニカルにははっきりしない動きを続けていますが、12日につけた年初来安値以降はじり高の動きとなっています。日足チャートをご覧ください。

ECB理事会でも動けずもみあい継続の流れか

9月高値と10月安値とのフィボナッチ・リトレースメントを見ると10月高値圏は38.2%戻しの1.1670と重なる水準で止められています。ただ、現状の水準から考えると、半値戻しの1.1716レベルはトライしてもおかしくはありません。

あとは上値が重いドル円の動きがユーロ円に波及し、ユーロドルにも影響すると考えると上値も重くなってきそうです。ここからの上昇は1.17水準がいいところという感じがします。ただ、下値も今のところ底堅いため、ラガルド総裁会見か金曜の経済指標で動いたとしても1.16水準でしょう。今週は1.1600レベルをサポートに、1.1700レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週はポンドの日足チャートを見てみましょう。

英国のブレグジット合意破棄を検討とのヘッドラインはいつもの強気発言によるものといった感じはするものの、実際に英国民の不満は高まっていて今後さらに問題が出てくる可能性があり、ポンドの上値を抑える潜在的要因となりそうです。

ECB理事会でも動けずもみあい継続の流れか 2枚目の画像

7月高値と9月高値を結んだレジスタンスラインをピンクの太線で引いてありますが、10月高値をかなり近い水準で反落していることから、このレジスタンスを明確に上抜けないとポンド高を見込むことは困難です。

短期的には9月安値と10月高値の38.2%押しとなる1.3734は金曜にほぼ達成しましたので、次の半値押し1.3673を視野に入れる展開になってきていると考えられます。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月25日(月)
17:00 ドイツ10月ifo企業景況感

10月26日(火)
24:45 フランス中銀総裁講演

10月27日(水)
15:00 ドイツ11月GFK消費者信頼感
15:45 フランス10月消費者信頼感
15:45 フランス9月PPI

10月28日(木)
16:55 ドイツ10月失業率
18:00 ユーロ圏10月消費者信頼感
20:45 ECB理事会 ☆
21:00 ドイツ10月CPI
21:30 ラガルドECB総裁会見 ☆

10月29日(金)
14:30 フランス7〜9月期GDP速報値
15:45 フランス10月CPI速報値
17:00 ドイツ7〜9月期GDP速報値 ☆
18:00 ユーロ圏10月CPI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏7〜9月期GDP速報値 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月18日(月)
ユーロドルは米金利の動きに沿った一日となり、東京市場では米金利上昇とともに売りが先行し先週木曜の安値を下抜けるとテクニカルな売りも加わって欧州前場には1.1572の安値を付けました。その後米金利が下落に転じるとユーロドルは上昇に転じNY昼過ぎには1.1622レベルの高値をつけ高値圏で底堅い流れのまま引けました。

10月19日(火)
ユーロドルは基本的にドル円同様にドル安の後のドル高という展開を辿りましたが、ユーロ円がドル円での円安進行とともに一段高となったこともあって、ユーロドルは底堅い動きのままで終わりました。

10月20日(水)
ユーロドルは東京市場ではドル円とともにユーロ円が上昇したことから買いが先行しましたが、その後は欧州市場序盤に日中安値をつけた後、NY市場では米金利低下によるドル安の流れとともに買い戻される動きとなりました。

10月21日(木)
ユーロドルはユーロ円に沿った動きとなり東京朝方から買いが先行し昼過ぎには1.1667レベルの高値をつけました。しかし、その後はユーロ円の下げに引っ張られ水準を下げ、NYの引けまでユーロ円とともにじり安の展開をたどりました。

10月22日(金)
ユーロドルはドル安の流れからNY前場までは買い戻しの動きからじり高の流れとなっていました。しかしNY昼前にユーロ円が前日安値を下回るとストップオーダーも巻き込んで131.92レベルまで下げる動きとともにユーロドルも東京市場の安値圏に沈んだ後、引けにかけてはやや買い戻されて引けました。

※ポイント要約は編集部

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