ドル高調整局面か、111円割れの可能性も
〇本日のドル円、111.25前後で寄り付き111.50近くへ上昇するも、寄り付きを下回る111.05前後へ下落
〇ドル高基調に変化はないが、短期的には調整局面入りの様子
〇111円割れを意識した動きも見られ、いま一段の下げをたどる可能性も
〇本日は8月PCEデフレータ・9月ISM製造業景気指数発表、要人・通貨当局者による発言機会も注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.70
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場はドルが小安い。一時ドルは買い進められたものの続かず、終盤に掛けては売りが優勢だった。
ドル/円は111.25円前後で寄り付いたのち、ドルは当初じり高推移。日中高値である111.50円近くへと小幅に値を上げたものの、示現後は一転して緩やかな右肩下がり。夕方に掛けては寄り付きを下回る111.05円前後まで下落し、16時現在でもそのまま日中安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、円は対ドル以外、クロスを含めてほぼ全面高の様相。ユーロ/円やポンド/円などの多くが週間安値を更新する展開をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局」と「米国情勢」について。
前者は、事前に複数メディアで様々報じられていた自民党の新役員人事が、本日夕方に正式決定。ちなみに幹事長は甘利税調会長、政務調査会長はともに総裁選を戦った高市前総務相となった。なお、来週4日に発足する内閣閣僚人事については未定のものもあるが、金融・為替政策への影響も大きい財務相については「鈴木元五輪相」が内定、外相は「茂木氏続投」と報じられている。
対して後者は、時間切れギリギリまで縺れた「米債務上限問題」だが、米上下院で暫定予算案を可決したことに続き、バイデン米大統領が署名し政府機関の閉鎖はなんとか回避された。なお、それとは別に昨日アトランタ連銀総裁から「2022年末まで利上げを開始、23年だけで3回の利上げが正当化される」との発言が聞かれ、思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日一時112.08円まで上値を広げたが、日足は久しぶりの陰線引け。つまり、終わってみればドル安・円高の展開で、実際NYクローズは111.25-30円だった。そして、続く本日東京時間にもドルは小幅ながら続落している。ドル高基調そのものに依然として変化はないようだが、短期的には調整局面入りした感も否めない。ちなみに、直近安値109.11円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しは110.95円、半値戻しは110.60円となる。
米金利動向への関心が高いという状況が依然として続くなか、ここ最近は米長期金利の急上昇が一連のドル高を支援していたことは間違いない。しかし、突然ブレーキがかかると、それが前述したような昨日から本日に掛けての調整の動きを誘発している感もある。果たして一過性の動きなのか、本日も発表される米経済指標や要人発言を踏まえたうえで、しっかりと注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は1週間強で3円近い上昇をたどり、一時112円台に乗せたが続かなかった。そののち、本日東京時間には逆に111円割れを意識した動きも観測されている。目先高値から1円程度の下押しがすでに観測されている計算だが、調整のセオリーからすると、いま一段の下げをたどっても不思議はない。フィボナッチポイントの110.95円などを目指したドルの続落にも要注意か。なお、一連のポジション調整を経たのち、ドルは再上昇。しっかりとした112円台超えを見込む向きがあるようだ。
材料的に見た場合、中長期的には、9月23日に続き29日のドル建て利払いも実施されていないと報じられている「恒大リスク」を中心とした「中国情勢」のほか、4日の新閣僚人事も注目される「日本の政局」、「新型コロナ関連」、「北朝鮮情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月のPCEデフレータや9月のISM製造業景気指数が発表されるほか、引き続き米要人、通貨当局者などによる発言機会が多数予定されている。また、中露の反対で開催が延期された「北朝鮮情勢をめぐる国連安保理事」が本日にも行われるとの指摘もあり、そちらにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.70円。本日東京高値の111円半ばが目先の抵抗。「しっかり」上抜ければ再び112円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の111.05円前後が目先のサポートか。下回るとフィボナッチポイントの110.95円、110.60円などがターゲットに。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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