110円挟みの往来相場、基本的に継続か(9/10夕)

10日の東京市場はドルが小じっかり。値幅は決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

110円挟みの往来相場、基本的に継続か(9/10夕)

110円挟みの往来相場、基本的に継続か

〇本日のドル円、109.70レベルで寄り付き夕方109.95前後まで値を上げる、寄り付き安・大引け高の推移
〇TOPIXが先日記録した高値を更新し、再び「31年ぶり高値」を示現
〇過去3週間ほど110円挟みの往来相場、109.41-110.45レンジ取引がこの後も続くか注目
〇本日、米8月生産者物価指数、7月卸売売上高など発表予定、やや材料に乏しいか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50
〇ドル高方向は一昨日の高値110.45が最初の抵抗、ドル安方向は109.60円前後がテクニカルサポートに

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場はドルが小じっかり。値幅は決して広くないが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。

ドル/円は、寄り付いた109.70円レベルを日中安値にじり高推移。緩やかな右肩上がりをたどると、夕方には109.95円前後まで上値を伸ばしている。東証株価指数TOPIXが先日記録した高値を更新し、再び「31年ぶり高値」を示現するなか、為替市場は「寄り付き安・大引け高」の様相だった。16時現在でもドル/円はそのまま日中のドル最高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧米金融政策」と「幾つかの国際情勢」について。
前者は、ECBが政策金利を据え置くとともに、新型コロナウイルス対応で実施している国債などの債券購入ペースの縮小を決定。金融政策の正常化に向けた第一歩を踏み出した格好だ。またラガルド総裁からも、記者会見で「景気回復は着実に進んでいる」との発言が聞かれていた。それに対して米国は、シカゴ連銀総裁が「米経済は危機を脱したわけではない」としたやや弱気なコメントを発したものの、ボウマンFRB理事は「年内にテーパリングが始まる公算は依然大きい」などと対照的な見通しを示していたようだ。
対して後者は、オンライン形式でG7財務相会合が開催され、国際課税ルール合意の重要性ならびに実行に移す必要があることなどが改めて確認されたようだ。また、いわゆる米国での同時多発テロから20年となる節目に合わせ、国連安保理事は「対テロで今日も結束」などとした報道声明を発表していた。そうしたなか、本日夕方になり「米中首脳、7ヵ月ぶりに電話会談を実施した」とのニュースが伝えられている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、過去3週間ほど110円挟みの往来相場。109円半ばに近いレベルまで下がると買い進まれ110円台を回復するものの、110円半ばに接近すると途端に上値が重くなり、反落するという展開をたどっている。「順張り」すると掴まる、というなかなか悪辣な相場という気もする。ともかく、このあともそんな1.04円レンジ(109.41-110.45円)の取引が続くか否かがまずは注目されている。
いわゆる米国ファクターとしては、ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況下、市場は早くも22日に予定されているFOMC会合に注目が集まりつつあるようだ。思惑は交錯しているものの、先のボウマン氏のような「年内テーパリング開始」観測も根強い。それを裏打ちするような良好な米経済指標や、後押しする同様の強気発言を期待する向きもあり、一喜一憂する値動きがしばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドルは今週もここまで1円動いていない。先週そして先々週も1円未満の変動にとどまっており、このまま終了すれば、そんな小動きは3週連続になる。次の動意に向けたエネルギー蓄積と考えれば、いよいよ保ち合いを放れた際に大きく動意づくことが予想されるもののどうなるか。いずれにしても、本日だけに限れば、レンジ取引の継続を見込む声が有力だ。

材料的に見た場合、中長期的には、ロシアのほか北朝鮮などとも結び付きを強める「中国情勢」のほか、本日夕方に河野行革相も自民党総裁選への出馬を表明した「日本の政局」、「新型コロナ変異種(デルタ株・ミュー株)」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の生産者物価指数、7月の卸売売上高などが発表される予定ほか、米クリーブランド連銀総裁の講演も実施される見込みだが、やや材料に乏しい気もする。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50円。一昨日の高値110.45円が最初の抵抗として注視されている。上抜ければ8月高値110.80円を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値109.63円をはじめ、109.60円前後は直近だけでも数回下げ止まっているテクニカルサポート。また、その下にも109.41円をはじめサポートは数多い。

110円挟みの往来相場、基本的に継続か

ドル円日足



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