基本小動きも「薄商い=乱高下」には要注意(21/8/13)

13日の東京市場は凪商状。値幅は終日を通し本日も20ポイントにとどかず、まさに開店休業状態だった。

基本小動きも「薄商い=乱高下」には要注意(21/8/13)

基本小動きも「薄商い=乱高下」には要注意

〇ドル円、積極的な売買はほとんど観測されず寄り付きレベル中心に110.30-45のレンジ取引
〇ドル円以外も動意薄のなかポンド円が売られ一時152.20円台を示現する興味深い動き
〇ドル円休暇シーズン中は一進一退の様相か、中長期的には中国情勢や新型コロナ変異種などに注視
〇本日ミシガン大学消費者信頼感指数発表予定、それ以外の材料乏しく米株の動向に一喜一憂か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.90-110.70

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は凪商状。値幅は終日を通し本日も20ポイントにとどかず、まさに開店休業状態だった。

ドル/円は110.40円前後で寄り付いたものの、動意らしい動意なし。実際、値動きは寄り付きレベルを中心として上下動、すなわち110.30-45円といった程度。日経平均などに注目しつつも、いわゆる「夏枯れ」相場のため、積極的な売買はほとんど観測されなかった。16時現在では110.30-35円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外でも総じて動意の乏しいなか、ポンド/円だけは少し興味深い動き。終盤にかけて売られ、152.20円台を一時示現するなど、週間安値を更新する展開をたどっていた。このあとの欧米時間の動きが注視されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「日本の領土問題」と「中国情勢」について。
前者は、米誌のインタビューに応じた菅首相が、「台湾有事があれば地理的に近い沖縄を守らなければならない」との考えを示したとして話題に。ただ、そうしたなかロシア外務省は11日に実施された日露外相の電話会談で、茂木氏が発した「ロシア首相による北方領土訪問」懸念について、「受け入れられない」と拒否の姿勢を伝えたと明らかにしていた。なお、本日早朝に西村経済再生相の靖国神社参拝が明らかとなり、このあと一部アジアからの反発などが懸念されている。

対して後者は、菅首相から台湾情勢について先のような発言が聞かれたなか、米国務副長官と会談した新任の駐米中国大使が、「台湾問題が米中関係でもっとも重要で敏感な問題」と強調したと報じられていた。今後も火種としてくすぶりそうだ。また、それとは別に、ブルームバーグは「中国が世界3位のコンテナ取扱量を誇る寧波舟山港をコロナ感染により部分閉鎖した」と報道。さらに、上海証券報は新型コロナの感染再拡大を理由に、「16日発表の7月の中国経済指標が鈍化傾向を示す可能性がある」と指摘し物議を醸していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

11日に110.80円まで上昇し、レンジを上抜けたように思えたドル/円だったが、結果失敗に終わっている。昨年来、度々観測されている「従来のレンジを多少広げただけ」で終わった感も否めない。東京勢の「盆休み」のほか、海外勢もサマーバカンス入りしている向きがあり、しばらくはレンジ取引か。110円台を中心とした一進一退が続く可能性も否定できない。
為替のみならず金融市場全般で、引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうした意味では、本日も発表される米経済指標には要注意だが、多少なら悪い数字が出てもドル高という基調そのものは続くと予想されている。ただ、気になるのはデルタ株の感染が世界的に広がっており、米国も例外ではないこと。目に見えるような形で米経済などへの悪影響が示されれば、そのときにはドル安方向へと流れが変化しても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は「夏枯れ」といった様相で、短期的な方向性は喪失している。事実、今週のドル/円相場は110.02-80円という、わずか78銭しか動いていない。「夏枯れ」のなか、逆に「薄商い=乱高下」などという値動きをたどる可能性も否定できないが、基本的にはレンジ取引継続か。110円台を中心とした一進一退で、次なる動意は来週に持ち越されることにもなりかねない。

材料的に見た場合、中長期的には、米国との対立解決の糸口が見えない「中国情勢」や感染拡大が止まらない「デルタ株を中心とした新型コロナウイルス変異種」、一部世論調査で内閣支持率が危機的水位まで落ち込んでいる「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表される見通しだ。それを除くと材料はやや乏しく、ドル絡みはNYダウなど米株の動きに一喜一憂することになりそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.90-110.70円。昨日高値110.54円が最初の抵抗で、超えれば前回戻り高値の110.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京夕方に向け割り込みかけている110.30円レベルの攻防にまずは注目。下回ると、移動平均の21日線も近くに位置する110円前後などを目指す展開か。

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ドル円日足


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