米雇用統計注視、基本リスクはドル高だが如何に
〇本日のドル円、ドルがしっかりした展開、111.65レベルへと値を上げ年初来高値を更新する局面も
〇昨年3月の111.71が上値メドとして意識される、欧米時間に同レベルに到達・更新の可能性あるか
〇材料的には米雇用統計への関心高く、事前予想値よりも好数字を見込む向きもある
〇本日発表される6月雇用統計・5月貿易収支・製造業受注の他、OPECプラス閣僚級会合も注視される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ111.00-112.30
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2日の東京市場は引き続きドルがしっかり。依然として値幅は狭かったが、それでも連日での年初来高値更新となった。
ドル/円は111.50-55円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあってか、売買は総じて手控えられていた。ただ、これまでの流れもあり、ドル買い・円売り意欲は強い。111.65円レベルへと値を上げ、前日記録した年初来高値をわずかながら更新する局面も観測されている。16時現在、ドル/円はそのまま日中高値圏をキープし、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、先月30日に発表されたADP雇用統計が予想を上回る好数字になったことに続き、昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請者数も同じく好数字に。それを受け、本日NY時間に発表される米雇用統計に対する期待感が否応なく高まっている感があり、そんな期待に応えるような数字となるのか注目だ。なお、昨日は良好な米雇用指標もあり、米フィラデルフィア連銀総裁から「年内のテーパリング開始を支持する」との発言も聞かれていたという。
対して後者は、アルゼンチンなどの中南米や米国の一部の州で新型コロナの感染拡大が再び警戒されるなか、ここ最近は「優等生」ともいえた欧州でも危機感が強まりつつあるようだ。実際、WHOが「ロシアを含めた欧州全域で新型コロナ感染者が再び増加傾向にある」との見解を示したうえで、「市民や当局が警戒を怠れば感染第3波は避けられない」とした警告を発していた。そうしたなか、共同通信では「東京五輪に出場する海外選手や関係者の入国が本格化」と指摘。7月1日だけでドイツやギリシャ、米国の選手団など計100人以上が来日したうえ、4日までに約400人が入国する見通しとしていた。果たして日本は安全なのだろうか。
<< 欧米市場の見通し >>
一昨日、111円を超えてきたドル/円の次の上値メドとして、筆者は「昨年3月の111.71円」と指摘したが、飽くまで中期ターゲットのイメージだった。しかし、昨日そして本日東京でも111.60円台までドル高が進展しており、すでに現実の上値メドとして意識されていることは間違いない。早ければ、このあとの欧米時間に同レベルに到達、さらには更新する可能性も否定出来ないようだ。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。そうしたなか、本日はNY時間に注目の米雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに、もっとも関心の高い非農業部門雇用者数の事前予想値はプラス72万人程度で、それよりも好数字を見込む向きもある。ただ、先月と先々月、過去2回は「雇用統計前の指標が好数字で期待が強まるも、実数値は逆に悪い内容」というネガティブサプライズだった。「二度あることは三度ある」となる可能性も。
テクニカルに見た場合、ドル/円は前述したように、中期ターゲットと考えていた昨年3月のドル高値111.71円が現実の上値メドとなっている。超えれば112円超え、同じ昨年2月に記録した112.22円が次のターゲットとして意識されそう。
対して、米雇用統計の悪化などからドル続伸が失敗に終わった場合、まずは111円前後そして110円半ばなどがサポートに。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月雇用統計のほか5月貿易収支、同製造業受注なども発表される予定だ。そのほか、市場筋のあいだで懸念されているのは実施が本2日に延期された「OPECプラス閣僚級会合」。どういった落としどころで落ち着くのか注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは111.00-112.30円。まずは111.71円の攻防に注目。超えれば112円前後、そして昨年2月に記録した112.22円が次のターゲットとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、レンジブレークをしたのち、いまだ一度も割り込んでいない111円レベルが引き続きサポートとして意識されている。かなり底堅いイメージだが、しっかり割り込めば前回安値110.42円が再び視界内に入りそう。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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