フシ目の110円突破、ドル続伸への期待も(3/30夕)

30日の東京市場はドル高進行。米長期金利の上昇もあり、終盤にかけてフシ目の110円を超える展開となっている。

フシ目の110円突破、ドル続伸への期待も(3/30夕)

フシ目の110円突破、ドル続伸への期待も

〇ドル円、フシ目の110円を突破、そのまま110.15-20まで一気に値を上げる
〇米ヘッジファンドのデフォルト、まだ大事には至らないが株式や為替への影響に懸念も
〇新型コロナ、欧米での危機感が指摘される中、米大統領のワクチン接種対象の発言好感される
〇ドル円、111.70レベルを目指しさらなるドル高進行の可能性も
〇本日、1月S&Pケースシラー住宅価格指数・3月消費者信頼感指数発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.70-110.60

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドル高進行。米長期金利の上昇もあり、終盤にかけてフシ目の110円を超える展開となっている。

ドル/円は「寄り付き安・大引け高」。取引が始まった109.70-75円を日中安値に緩やかな右肩上がり。110円手前では上げ渋る局面も見られたが、夕方にかけて上抜け。そのまま勢いをつけて110.15-20円まで一気に値を上げた。16時現在でも、日中最高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル高は対円以外でも進展。ユーロ/ドルは1.1750ドル割れまで軟化し、年初来安値(ドルの同高値)を一時更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ヘッジファンド破綻問題」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日東京時間に野村ホールディングスから「米子会社に多額損害発生事案が起こる」といったやや漠然とした発表のあった問題が、「米ヘッジファンドであるアーキゴスのデフォルトと関係」などとその後報道され話題に。さらに、野村HDだけでなくクレディスイスも多額の損失に直面する可能性があるとされていた。それぞれ、個別株への影響はもちろんのこと、NYダウなど指数全体への影響も観測されたものの、それでも昨日のNYダウは結局100ドル近い上昇で大引けるなど、まだ大事に至っている感はないようだ。
対して後者は、日本でも、いわゆる「第4波」が取り沙汰されるなど感染拡大が取り沙汰されるなか、欧米諸国を中心に週末のイースターをにらみ、危機感を指摘する発言や報道が相次いでいた。ただ、米国に関してはバイデン米大統領が「成人の90%が4月19日までにワクチン接種対象」などと述べたことを好感、前述した「ヘッジファンド破綻」のようなニュースが聞かれたにもかかわらずNYダウが堅調推移した一因になっていたとの指摘も。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、一昨日に続き昨日も110円を目前に109.85円レベルで上げ渋り。ドルの上値トライも、さすがに時間切れかと考え始めていたのだが、本日の東京時間に目先の抵抗だけでなく、心理的なフシ目である110円も突破してきた。ポジションの偏りだけは気掛かりだが、リスクはドル高。やや遠いものの、次の強い抵抗である111.70円レベルを目指し、さらなるドル高の進行も否定できない。
昨日もレポートしたように、今週は週間を通して重要とされる米経済指標の発表が相次ぐうえ、突然伝えられた「米ヘッジファンド破綻問題」も気掛かり。ちなみに、後者に関して言えばブルームバーグでは「タイガー元アナリストのファンドにも、清算の臆測があった」と報じていた。連鎖破綻など、市場に疑心暗鬼的な警戒感が広がるようだと、株式や為替へ波及的な影響が出ても不思議はなさそうだ。相場の波乱要因に。

テクニカルに見た場合、少なくとも直近だけで2度は上げ止まった昨年6月高値109.85円を、本日東京時間にようやく上抜けてきた。そしてドルはさらに続伸し、110.20円近くまで値を上げている。110円台に抵抗がまったくないわけではないが、強い抵抗となると先でも取り上げた111.70円レベルか。本稿執筆時レベルより1円以上もドル高の水準になる。ポジションの偏りは気掛かりだが、それでもドルの続伸には一応要注意。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月のS&Pケースシラー住宅価格指数や3月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表される予定となっている。もちろん、それらにも要注意だが、明日で名実ともに3月相場が終わることでのカレンダー要因や需給要因の変化を警戒する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.60円。上方向は、110円台を回復したことで、明確な上値メドがしばらくない。ただ、それでも110円半ばや111円手前などが一応意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で上抜けた110円レベル、あるいはこれまで抵抗として寄与していた109.85円レベルなどをめぐる攻防に注目。ただ、下回っても底堅そうで、大崩れは予想しにくい。

フシ目の110円突破、ドル続伸への期待も

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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