ドル円、心理的節目110.00をついに突破。約1年ぶり高値圏へ
〇ドル円、米大型インフラ投資への期待感、米長期金利上昇、米指標好調で110円突破、110.43まで急伸
〇ユーロドル、上記とコロナ第三波への警戒感、独アストラゼネカワクチン使用制限等で1.1712まで急落
〇トルコ円、中銀副総裁解任で13.04まで下落後、新総裁のタカ派発言で13.38まで上昇する荒い値動き
〇ドル円110円突破で、テクニカルには前テナーに強い買いシグナル、但しRSIは80%近辺まで上昇
〇ファンダメンタルズも本日発表予定の米大型インフラ投資計画への期待が高まるなどドル買い要因強い
〇本日はADP雇用統計要注視、本日の予想レンジ:109.90ー110.70
海外時間のレビュー
30日(火)の外国為替市場でドル円は急伸。@米政府による大型インフラ投資計画への期待感(バイデン米大統領は3/31に詳細を発表予定→財源確保のため国債発行が膨らむとの見方あり)や、A市場でくすぶる根強い米早期テーパリング観測、B上記@Aを背景とした米長期金利の高止まり(米10年債利回りは昨年1/22以来、約1年2ヵ月ぶり高水準となる1.774%へ急上昇)、C米3月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果109.7、予想96.9、前回90.4)の力強い結果、D心理的節目110.00突破に伴うロスカット(ストップBUY)が支援材料となり、米国時間にかけて、昨年3/26以来、約1年ぶり高値となる110.43まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、110.35近辺で推移しております。
30日(火)の外国為替市場でユーロドルは続落。@欧州圏における新型コロナウイルス第3波への警戒感(ワクチン接種の進捗鈍化→ロックダウンの長期化リスク→欧州経済の先行き不透明感)や、Aドイツによるアストラゼネカ製ワクチンの使用制限に関する発表、BECBによる追加緩和期待(オランダ中銀クノット総裁はECBの資産買い入れ対象をグリーン債券に傾斜させることが可能と発言)、C米経済指標の良好な結果、D米長期金利の高止まりが重石となり、米国時間にかけて、昨年11/5以来、約5ヵ月ぶり安値となる1.1712まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.1717近辺で推移しております。
尚、昨日はトルコ円相場が乱高下。エルドアン大統領によるアーバル総裁のサプライズ解任(3/20)に続き、昨日はチェティンカヤ副総裁も解任した為、市場では金融引き締めスタンスが一段と後退する(利上げ期待の消失→利下げ観測の再燃)との見方が強まり、トルコリラ円相場は一時13.04円まで急落する展開となりました。しかし、その後、アーバル総裁の後任に指名されたカブジュオール新総裁より「現在の高いインフレ率は金融引き締めスタンスを必要としている」「政策金利はインフレ率を上回ったままとなる」との発言が伝わると、利下げ観測が後退し、トルコリラ円相場は一転して13.38円まで反発する荒々しい値動きとなりました。
本日の見通し
ドル円は心理的節目110.00の大台を突破し、約1年2ヵ月ぶり高値となる110.43まで急伸しました。上位足(週足や日足)から下位足(4時間足や1時間足)に至る全てのテナーで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転やバンドウォークなど)が点灯するなど、テクニカル的に見て、更なる上昇を期待させるチャート形状となっております(但し、オシレータ系インジケータのRSIは80%近辺まで急上昇)。ファンダメンタルズ的に見ても、米政府による追加経済対策期待(バイデン米大統領は本日大型インフラ投資計画の詳細を発表予定)や、米長期金利の急上昇(米経済指標の良好な結果→米早期テーパリング観測)、市場でくすぶるリスク回避ムード(資産現金化需要のドル買いを連想)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が確認されます。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米3月ADP雇用統計に注目。市場予想を上回る結果となれば、金曜日に発表される今週のメインイベント米3月雇用統計への期待を通じてドル円が一段と上昇する可能性あり。※パウエルFRB議長はここ数ヶ月「インフレ圧力は一時的」と繰り返し発言していることから、米金融政策を予測する上で雇用関連指標への重要度が高まっている)。尚、本日は年度末・公表相場となる為、日本時間9時55分にかけてのトリッキーな値動き(一時的なボラティリティの上昇)に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:109.90ー110.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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