ドル円はレンジ継続か、ユーロの動意に期待(3/26夕)

26日の東京市場は、小幅ながらドルが続伸。一時109.30円台を示現し、先週高値の109.36円を視界内に捉える局面も観測されていた。

ドル円はレンジ継続か、ユーロの動意に期待(3/26夕)

ドル円はレンジ継続か、ユーロの動意に期待

〇本日のドル円、底堅い値動き、一時109.30-35まで値を上げる
〇本日ユーロ/ドルが年初来安値を更新したが、その後逆にユーロの買戻しが目に付く展開
〇市場参加者の関心、ユーロやポンドなどに高い、ドル円はレンジ取引を継続か
〇今週のドル円は値幅1円に満たないレンジ取引、先週高値109.36をめぐる攻防に注目
〇本日、2月PCEデフレーター等発表予定、国連安保理の北朝鮮制裁委会合開催も要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.80-109.60

<< 東京市場の動き >>

26日の東京市場は、小幅ながらドルが続伸。一時109.30円台を示現し、先週高値の109.36円を視界内に捉える局面も観測されていた。

ドル/円は109.15-20円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。終日を通した値幅は20ポイントにも満たなかった。ただ、そのなかでもドルは底堅い値動きで、一時は109.30-35円まで値を上げている。また高値示現後も強保ち合いになると、16時現在では109.25-30円で推移、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、本日東京でユーロ/ドルは年初来安値を更新。しかし、安値を付けたのちは逆にユーロの買戻しが目に付く展開で、イメージ的にはむしろユーロが小高い。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米要人発言」について。
前者は、25日早朝に北朝鮮が2発のミサイルを発射したことを受け、国連事務総長が懸念を表明するとともに、バイデン米大統領は「さらなる挑発に出れば対抗措置」と明言。また、菅首相も4月上旬に実施される「日米首脳会談の主要議題として北朝鮮問題を取り上げる」考えを示していた。その反面、産経新聞では「北朝鮮への影響力を保つ中国は対米交渉の材料として『北カード』を利用していくとみられる」と指摘するなど、情勢はますます気掛かりだ。

対して後者は、FOMC後の会見や先日の議会証言などで早期利上げに否定的なコメントをしているパウエルFRB議長だが、米長期金利は1.75%近辺でピークアウトしたとはいえ、依然として高止まり。そうしたなか、昨日はいくつか米当局者のコメントが伝えられたものの、全体的にはやはり弱めのトーンだった。たとえば、クラリダFRB副議長は「経済情勢がコロナ以前に戻るにはしばらく時間を要する」、シカゴ連銀総裁は「金利の引き上げは2024年になる可能性もある」−−など。多くが強気見通しに転じるには、いま少し時間が必要なのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円は、一週間を通して75銭レンジに終わった先週より動いているものの、それでも値幅は1円に満たない。前々週もおよそ1円レンジとなっており、このままいけば3週連続の動きということになる。なんとか、足もとのボックス圏からの打破を見出したいところだが、市場参加者の関心もユーロやポンドなどに高く、ドル/円以外の通貨ペアに目が向いている感を否めない。ドル/円はレンジ取引継続か。
材料的に見た場合、昨日までのような欧米要人の講演などもそれほど目立ったものはなく、やや材料難の様相も。ただ、2月のPCEデフレーターなど米経済指標がまとまった形で発表されるうえ、国連安保理の北朝鮮制裁委会合が開催される見込みだ。そちらの動きには一応要注意。

テクニカルに見た場合、23日に108.41円まで下落。下抜けを狙ったものの失敗に終わったドル/円は、足もと上抜けを視界内に捉えた動きとなっている。本日東京高値も近い先週高値109.36円をめぐる攻防にまずは注目だ。しっかり超えれば昨年6月高値の109.85円、そして110円などが名実ともにターゲットとなる。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月のPCEデフレーターや3月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値といった米経済指標が発表される予定だ。ひとつずつをとれば、極めて注目度が高いという指標ではないものの、昨日発表された10-12月期のGDP統計確報なども好数字となっただけに、本日の指標も好数字が連発すれば米株やドルなどの支援要因となる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.80-109.60円。上方向は、本日東京でも超えられなかった109.36円が最初の抵抗。上抜ければ109.85円や110円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、短期的に見た場合、昨日109円台に乗せたあと一度も割り込んでいない109円レベルがサポートとして、まずは意識されているようだ。割り込んだ場合、強く意識される下値メドは23日安値の108.41円か。

ドル円はレンジ継続か、ユーロの動意に期待

ドル円日足


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