ドル続落か否か正念場、200日線の攻防注視
〇ドル円、基本的にはレンジ取引だが終盤にかけて105.55前後へと小幅に値を崩す、ドルが小安い展開
〇2/19夜G7首脳首脳会議がテレビ会議方式で開催予定、バイデン米大統領の外交デビューとなる
〇昨日NYダウは陰線引け、引き続き米株と米金利の動きに注目
〇ドル円は上げ渋りの感、200日線を「しっかり」下回ればさらなる下値模索の展開の可能性も
〇本日、2月製造業PMI速報・1月中古住宅販売件数発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.20-106.20
<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場はドルが小安い。105円半ばに位置する移動平均の200日線に一時ワンタッチする局面も観測されていた。
ドル/円は、105.65円レベルで寄り付いたのち、基本的にはレンジ取引。105.65-75円といった極めて狭いボックス相場をたどるなか、終盤にかけて105.55円前後へと小幅に値を崩す展開となった。ただ、200日線が取り敢えずのサポートになった格好でドルは下げ止まり。16時現在では105.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米政治情勢」と「新型コロナ」について。
前者について、引き続き米政府要人の積極的な外交が思惑を呼ぶ。たとえば、ブリンケン国務長官が欧州3ヵ国、独仏英外相とテレビ会議形式で会談し、イラン情勢を協議。そのうえで、「イランと直接協議する用意がある」との考えを示していた。また、日米豪印外相による、いわゆる「クアッド」外相会談も実施され、こちらでは「中国による現状変更に強い反対で一致」したという。そうしたなか、19日にはバイデン米大統領の外交デビューとなるG7首脳のテレビ電話会談が実施され、中国への対応などをめぐり活発的な討議が行われる予定となっている。
対して後者は、ロイターが自社の集計として「世界の新型コロナ感染者数は過去1ヵ月にわたり減少、16日は10月中旬以来の低水準」と発表し話題に。確かに、日本の情勢を見ても第3波の最悪期は脱したようにもうかがえる。しかしWHOは、変異株が世界的に拡大していることを理由に、「油断するときではない」などとし、警戒の緩みを懸念するコメントを発していた。
<< 欧米市場の見通し >>
今年だけで75%を超える「暴騰」をたどっていた暗号資産ビットコインの上昇もようやく一服。また、連日で史上最高値を更新していたNYダウも、昨日はやや下ヒゲが目立つものの日足が陰線引け。ザラ場ベースでも高値を更新することができなかった。やや風向きの変化もうかがえる。ドル/円も17日に高値106.22円を示現後は若干冴えない値動きで、足もとは上げ渋りの感。むしろ、105円半ばに位置する200日線を「しっかり」下回れば、さらなる下値模索の展開も否定できなくなりそうだ。
このあとも、引き続き米株と米金利の動きにまずは注目。単なる調整の範囲にとどまるのか、それとも基調が転換するのか、そのあたりの見極めも重要だ。材料的に注視されるのは、前段でも取り上げたテレビ会議方式で行われる「G7首脳会議」。バイデン氏の外交デビューということでの注目度が高い。東京時間でいえば、19日の午後11時ごろから開始すると言われており、前後の金融市場はやや荒っぽい展開をたどる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円はフィボナッチポイントの106.22円でピタリ上げ止まり、短期的な調整局面入りした感も否めない。なお、ドル高の基調そのものは変化なく、底堅いとの見方が有力だが、本日東京時間には下げ止まった移動平均の200日線を「しっかり」下回ると様相が変化しても不思議はないだろう。そうした意味では、ザラ場の動きはもちろんだが、NYクローズで200日線を維持できるか否かは非常に重要といえるかもしれない。
材料的に見た場合、中長期的には領有権や人権問題などで様々な対立を抱える「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の製造業PMI速報や1月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される予定だ。今週発表された米指標は総じて良好だったが、昨日の新規失業保険申請件数は予想外の悪化で冷や水を浴びせる結果になったことから、本日の指標が再び市場筋の安心を醸すことか出来るのか否かが注目されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-106.20円。上方向は、気が付くと昨日は一度も106円台に乗せられず。105円台後半がすでに弱い抵抗として意識され始めている感がある。抜ければ、前回のドル高値106.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、再三再四指摘している移動平均の200日線をめぐる攻防が最大の注目点。割り込めば105.20円レベル、そして同レベルも下回るといよいよ105円割れも否定できなくなりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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