105円台乗せなるか、ドル続伸の有無を注視(2/2夕)

2日の東京市場はドルが小じっかり。レンジは狭いが一時105円台にワンタッチする局面なども観測されていた。

105円台乗せなるか、ドル続伸の有無を注視(2/2夕)

105円台乗せなるか、ドル続伸の有無を注視

〇ドル円、20ポイント程度のレンジ取引だが、一時105円台を回復するなどドル買い円売りの流れ
〇ミャンマー国軍によるクーデター、中国以外の各国から非難相次ぐ
〇日米財務相による初めての電話会談実施、為替政策について緊密な議論を行うとの再確認
〇ドル円、上値が重いが、105円台にしっかり乗せればさらなる続伸が期待できるか
〇本日、目立った米経済指標なく、米企業決算の内容に一応注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.60-105.50

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが小じっかり。レンジは狭いが一時105円台にワンタッチする局面なども観測されていた。

ドル/円は104.85-90円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。20ポイント程度の変動にとどまったが、一時105円台を回復するなど、流れとしてはドル買い・円売りが優勢となっていた。日経平均株価が終値ベースで271円高、NYダウ先物も堅調推移をたどるなか、ドル/円も上値こそ重いが下値も堅い105円絡みの値動きをたどると、16時現在では104.95-00円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ミャンマー情勢」と「為替言及発言」について。
前者は、ミャンマーで国軍によるクーデターが発生し、スー・チー国家顧問兼外相らの拘束が明らかに。そうしたなか、バイデン米大統領が「制裁復活」を言及するコメントを発したほか、ノルウェーのノーベル賞委員会も「スー・チー氏らの即時解放を求める」とした声明を発表するなど各国から非難が相次ぐ。ただ、わずかに中国は、外務省の汪副報道局長が「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と明言したうえで、クーデターを非難せず状況を静観する姿勢をみせていた。

対して後者は、日米財務相による初めての電話会談が実施され、そのなかで注目の為替政策については「日米財務相間で緊密な議論を行っていくことが大事」といったことが再確認されたようだ。会談後に、麻生財務相が明らかにしている。一方、それとは別に、米国から「為替操作国」に指定されているスイスのジョルダン中銀総裁から、「スイスフランに強い圧力が見られるなか、為替介入は非常に重要だ」とし、状況次第で実弾介入実施の可能性を示唆するようなコメントが発せられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の欧米時間、ドル/円は昨年11月16日以来の105円台をつけたものの定着はせず。また本日の東京も同様で105円台を一時示現しているが、やはり「しっかり乗せた」と言えるような状況にはなっていない。勢いも含めてリスクはドル高方向に高そうだが、上値が予想以上に重い感のあることは若干気掛かり。ただ、それともキチンと乗せてくれば、105.60-70円に位置する移動平均の200日線を目指した、さらなる続伸が期待されそうだ。
先週末、終値ベースで3万ドルの大台を割り込んできたNYダウだったが、昨日230ドルほどの上昇を記録し続落は回避されている。3万ドルもあっさりと回復。下値不安が完全に払しょくされたわけではないものの、大きく後退したことは確かだろう。材料的に引き続き注視されている、ワクチン接種や供給問題などを含めた「新型コロナ」を警戒しつつも、いまひとつ決め手に欠ける展開か。参加者の一部からは、「明確な市場テーマが見えていない状況」などといった声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先週末に上値トライを失敗した感もあったが、昨日そして本日東京では105円台へ一時到達する局面も観測されている。リスクは引き続き上方向にバイアスか。ちなみに、次の上値メドは昨年11月高値の105.68円で、近い水準には移動平均の200日線も位置。また、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは、38.2%戻しが105.35-40円、半値戻しは106.20-25円となっている。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料だが、目立った米経済指標の発表は予定されておらず、そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気も。ただ、ダラス連銀総裁やアトランタ連銀総裁による講演のほか、ファイザーやアマゾンを中心に注目企業の決算発表も実施される見通しだ。依然として米株への注目度が高いこともあり、米企業決算の内容にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.60-105.50円。本稿執筆時しっかりとは超えられていない105円前後の攻防にまずは注視。しっかり超えれば、前述したフィボナッチで見たテクニカルポイントの105.35-40円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の104.80円レベルが最初のサポートで、割り込んでも時間足など短期ベースでは104.60円前後がかなり底堅そう。さらに、その下には一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置しており、下方向のサポートは目白押しだ。

105円台乗せなるか、ドル続伸の有無を注視

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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