下値トライに失敗、方向性欠いたまま越週か(1/21夕)

22日の東京市場は、ドル高・円安。レンジは狭いが「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルの強さが目についた。

下値トライに失敗、方向性欠いたまま越週か(1/21夕)

下値トライに失敗、方向性欠いたまま越週か

〇ドル円、レンジは狭いが「寄り付き安・大引け高」の様相、103.65-70円まで値を上げる
〇ビットコイン、一時急落、今月4日以来の3万ドル割れも
〇新型コロナ、欧州では予断を許さない様子、米国では楽観・悲観両方の発言も
〇立て続けに大統領令を発するなど、バイデン新米大統領の政治的手腕に注目
〇バイデン氏の「経済危機対応について」記者会見、本日発表の米経済指標、注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.20-104.10

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場は、ドル高・円安。レンジは狭いが「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルの強さが目についた。

ドル/円は寄り付いた103.45-50円を日中安値に緩やかな右肩上がり。途中で一度上げ渋るも、夕方にかけて再上昇すると、103.65-70円まで値を上げている。わずか20ポイント強の変動にとどまるなど、動意そのものは鈍かったが、「寄り付き安・大引け高」の様相で、印象的にはドルの強さが際立っていた。16時現在でもドルは高値圏を保ち、103.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか暗号資産(仮想通貨)ビットコインが、今月4日以来の3万ドル割れを達成するなど一時急落したことが話題に。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米中関係」について。
前者は、欧州疾病予防管理センターが「変異種が欧州全体に深刻なリスクをもたらし、入院患者や死者の増加を招く恐れがある」と警告を発したほか、ジョンソン英首相も「イングランド全体でのロックダウン(都市封鎖)措置の解除時期について言及するには時期尚早」と慎重なコメントを発していた。欧州情勢はまだまだ予断を許さない。一方、米国では国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長から「感染は近く横ばい状態に達する可能性がある」としたやや楽観的な見通しが聞かれるなか、バイデン新米大統領からは逆に「死者数が来月に50万人突破の可能性」などとした悲観的な発言が観測されている。

対して後者は、トランプ氏からバイデン氏へと米大統領が交代するなか、前日に「ポンペオ前国務長官を含む28人の米国人に制裁措置を導入した」とされる中国は、さらに反撃を繰り出している。たとえば、中国外務省はバイデン米大統領の就任式に出席した台湾の駐米代表に対して反発しただけでなく、出席を許した米国に対しても怒りの矛先を向けていた。また、米ツイッターが中国の新疆ウイグル自治区の少数民族に関する投稿をめぐり在米中国大使館のアカウントを凍結した措置にも「理解できない」などと、強く批判していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

まだ「ダマシ」というには早計だが、ドル/円相場は7日以来の安値、一時103.30円台を示現するなど、期待されていたレンジの底割れは今回も失敗に終わった。一癖も二癖もある、なかなかタチの悪い往来相場だ。いずれにしても、本日が週末金曜日となるなか、週間という観点で見た場合に今週もまだ1円にもとどかない変動で、相場の膠着度合いはさらに強まっている感を否めない。
そうしたなか、足もとは引き続き「新型コロナとワクチン接種」に関するニュースに注意を払いつつ、「トランプ流」からの脱却を急ぐバイデン新米大統領の政治的手腕に注目だ。昨日は立て続けに大統領令を発したスタイルを好感し、NYダウがザラ場ベースで史上最高値を更新する局面などが観測されていたが、本日は果たしてどうか。なお、本日は日本時間23日4時45分からバイデン米大統領が「経済危機対応について」の記者会見を行うとされ、そちらもぜひ注意したい。

テクニカルに見た場合、ここ数日のドル/円は「上かと思うと下、下かと思うと上に動く」天邪鬼相場。ダマシが多く、見極めの難しい状況をたどっている。ともかく、そうしたことで今週のドル/円は103円後半を中心に、わずか75銭程度の変動にとどまっており、依然として方向性は乏しいままと言わざるを得ない。ザックリ言って、103.30-104.10円のレンジ取引が目先続く可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営と国内外の政策について」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月の製造業PMI速報値や12月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、先で取り上げたバイデン氏による「経済危機対応について」の記者会見などが実施される見込みだ。また、上院財政委員会はイエレン新財務長官候補の指名審議する予定で、早ければ本日中にも指名が承認される可能性があるという。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.20-104.10円。今週の高値である104.08円がドルの抵抗として意識されている。超えれば、移動平均の90日線も近い104.40円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もとわずかに上回っている移動平均の21日線(103.55-60円)が最初のサポート。下回ると、昨日安値の103.33円や103円ちょうどが意識されそうだ。

下値トライに失敗、方向性欠いたまま越週か

ドル円日足


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