欧州中央銀行(ECB)政策金利後のラガルド総裁の記者会見要旨(21/1/22)

2021年1月21日木曜日実施

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欧州中央銀行(ECB)政策金利後のラガルド総裁の記者会見要旨(21/1/22)

欧州中央銀行(ECB)政策金利後のラガルド総裁の記者会見要旨

昨日、ECB金融政策会合が開催され、従前の予想通り全くの無風となりました。次回3月11日の会合では経済予測が出るので、それまでは現行の緩和スタンスを維持する旨を発表しています。
今回は特に目新しい内容がありませんでしたので、ラガルドECB総裁の記者会見での質疑応答前の発表内容の一部をお送りします。

(金融政策決定事項)

経済分析から始め、より詳細な我々の査定について説明させてください。2020年上半期の急激なマイナス成長後、ユーロ圏の実質GDPは、まだパンデミック前の水準よりはかなり低いままですが、第3四半期には強く反発し、前四半期比12.4%の上昇となりました。入手した経済データ、調査、あるいは高頻度の指標によれば、パンデミックの再発やそれに付随する拡散防止措置の強化で、2020年第4四半期の活動は下方に向かっていることを示唆している。そしてまた、今年第1四半期の活動にも重石となっていることが予想される。つまり直近2020年12月のマクロ経済見通しのベースラインに沿った動きとなっている。

経済の進展具合は部門毎にでこぼこがある。サービス部門は産業部門よりも社会的相互活動や移動に関する新たな制限により悪い影響を受けている。財政政策が家計や企業を支え続けているものの、消費はパンデミックやその影響による雇用や収入を踏まえ用心深いままである。加えて、一段と弱い企業のバランスシートや将来の見通しに関する不確実性により、企業投資に重石となっている。

今後、12月から始まったワクチンの投入は健康危害解決に強い自信を与えてくれる。しかしながら、免疫の拡大までには時間がかかるだろう。パンデミックに関連した更なるマイナス作用を無視することはできない。中期では、ユーロ圏経済の回復は、好ましい金融情勢、増大する財政、あるいは拡散防止措置による回復の高まりや不確実性の後退により支えられるだろう。

総体的に、ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは下方に傾いているが、それほど顕著ではない。世界経済の見通しに関するニュース、すなわちEUと英国の将来の関係についての合意やワクチンキャンペーンの開始は勇気付けられる。しかし進行中のパンデミックやそれによる経済や金融情勢は下方リスクの源泉となっている。

ユーロ圏のインフレは12月に▼0.3%と変わらなかった。現状のエネルギー価格を基に、消費者物価指数は今後数ヶ月で、おそらく上昇するだろう。これはドイツの付加価値税の一時的な引き下げ終了にも支えられている。しかしながら、根底にある物価圧力は抑制されると予想されている。これは、とりわけ観光業や観光関連部門の弱さである。同時に、弱い賃金圧力やユーロ高の影響もある。ひとたび、パンデミックの影響が弱まり、財政・金融支援による需要回復となれば、中期的にインフレの上方圧力となろう。市場ベースのインフレ期待指標は若干上昇しているものの、長期インフレ期待の調査ベースの測定や市場ベースの指標はまだインフレが低いままである。
(金融分析に関する項目は略)

財政政策に関し、ユーロ圏経済の急激なマイナス成長の観点から、意欲的で協調的な財政スタンスは重要である。この目標を達成するため、財政政策からの継続的支援は、悪化するパンデミックや防止政策の強化による企業や家計の弱い需要の保証となる。同時に、パンデミック緊急時に呼応した取られる財政政策は、可能な限り目標定め、一時的な措置になるべきである。労働者・企業・政府に対するユーロ評議会で裏付けられた3つのセーフティーネットは重要な資金サポートを提供している。
(以下質疑応答含め略)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから


ユーロドル相場はECBの金融政策とラガルド総裁記者会見後にユーロが堅調になりました。これは先行きの経済低下懸念やインフレ低下に言及しなかったことが材料視されています。
(1月22日15:30、1ユーロ=1.2167ドル)

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