持続性如何に、ドル高続くか否かを注視(1/12夕)

12日の東京市場は、レンジ取引。104円前半の20ポイント強での一進一退で方向性は乏しかった。

持続性如何に、ドル高続くか否かを注視(1/12夕)

持続性如何に、ドル高続くか否かを注視

〇ドル円、104円前半の20ポイント強での一進一退、上下とも攻めにくいレンジ取引
〇先週の米議会侵入を受けた要人の辞任や、トランプ氏とペンス副大統領の会談といった報道
〇新型コロナ感染拡大、ややネガティブな発言や報道があったが為替市場でのドルの弱材料にはならず
〇昨日ビットコイン急落、主要な米株も下落、短期的には調整の動きを見込む声も
〇ドル円、104円台を回復するなどさらなる上昇を期待させる反面、再びドルが軟化する危険性も
〇本日、11月JOLT雇用動態調査発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.50

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は、レンジ取引。104円前半の20ポイント強での一進一退で方向性は乏しかった。

ドル/円は104.20円前後でオープンしたものの、上下とも攻めにくく、結局レンジ取引。104.10-35円といった狭いなかでの往来相場をたどっている。株価や金利の動きなどをにらみつつも、新規の手掛かりに欠ける状況で、あまり材料視されることはなかった。16時現在、ドル/円はほぼ寄り付きと同じ104.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米政治情勢」と「新型コロナ感染拡大」について。
前者は、先週起こった「米議会乱入」事件を受けた要人の辞任がいまだ続いており、昨日はウルフ国土安全保障長官代行が、同省スタッフに宛てたメールで辞任の意向を明らかにした。また、それとは別にトランプ氏弾劾の動きも継続されるなか、乱入事件後はじめて「トランプ氏とペンス副大統領が初めて対面で会談を実施」し、任期満了まで協力することが確認されたという。なお、一方で、米下院民主党はペンス副大統領が要請に応じなければ、「13日にも弾劾手続き入り決議案審議」の考えを示していた。
対して後者は、「ポルトガル大統領によるコロナ感染が確認」されたほか、英政府の首席医務官から「コロナ感染は今後数週間が最悪の期間になる」との発言が聞かれている。また、WHOからも「ワクチン接種は今後進むものの、感染拡大が止まる『集団免疫』は2021年中に達成できない」との見通しが発表されている。ややネガティブな発言や報道が多かったものの、株価へのマイナスの影響は限られ、結果として為替市場でもドルの弱材料には至らず。

<< 欧米市場の見通し >>

依然として暗号資産ビットコイン相場の動きが大荒れで、市場を席巻している。これまでは騰勢の強い値動きだったが、昨日は状況が一変し15-20%もの急落をたどっていた。また、主要な米株も揃って下落するなど、短期的には調整の動きを見込む声も少なくない。ドル/円も、かつては逆にドル高方向へのリスクを予想する向きが多いものの、継続性ということでは疑問を抱く声もチラホラ聞かれている。株価などが反転に転じれば、為替市場でドルは再び売られることになるのかもしれない。
そうしたなか、新型コロナとワクチン接種に関するニュースに注意しつつ、「米政治情勢」ならびに再び対立が強まっている感のある「米中関係」が市場の波乱要因か。後者については、米紙WSJが「米通商代表部代表がバイデン次期政権に対中関税維持を求めた」などと報じるなど、20日に切れるトランプ氏以降を視野に入れた動きが観測されており、やや長いタームに立って動静をしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的な抵抗と目された104円台を回復するなど、さらなる上昇を期待させる反面、過去半年あまりキチンと超えたことのない移動平均の90日線を今回もなかなか超えられないでいる。ひょっとすると、90日線が位置する104円半ばをクリアに超えられず、再びドルが軟化する危険性もあるだろう。今後の動静には要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、11月のJOLT雇用動態調査という米経済指標が発表される予定だ。通常であれば、それほど関心の高い指標ではないが、先週発表された雇用統計など米国の雇用関係がおおむね悪化傾向を示しただけに、その内容を警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.50円。昨日高値である104.40円が目先の抵抗。超えれば、移動平均の90日線が位置する104円半ば、そして104.75円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日早朝に示現した103.80円前後が短期のサポートか。割り込むと近くには移動平均の21日線も位置する103.60円レベルを目指す展開か。

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ドル円日足


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