ドル高傾向続くか、米雇用統計発表に注目(1/8夕)

8日の東京市場は、ドルが小高い。前日示現した戻り高値を更新し、一時12月15日以来の104円台を示現している。

ドル高傾向続くか、米雇用統計発表に注目(1/8夕)

ドル高傾向続くか、米雇用統計発表に注目

〇ドル円、前日の戻り高値を更新し、一時104円台をつけるドルが小高い展開
〇豪ドル・NZドル続伸、対円で連日の年初来高値更新
〇米政治情勢、トランプ氏が初めて自身の敗北を認めたとの報道
〇ビットコインが初の40000ドル台示現、NYダウ等の米株も史上最高値更新、為替市場への影響にも注意
〇本日12月米雇用統計発表、発表前後の金融市場の乱高下に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.50-104.50

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場は、ドルが小高い。前日示現した戻り高値を更新し、一時12月15日以来の104円台を示現している。

ドル/円は寄り付いた103.75-80円を日中安値に右肩上がり。そのままスルスルと104円台まで値を上げる展開となった。途中、「東京都の新型コロナ感染者、過去2番目の2392人に」などと伝えられたが、市場への影響は限定的。103.80円レベルを下限に底堅い値動きをたどるなか、16時現在では103.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。
また、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨は本日も続伸。対円では連日の年初来高値更新を記録していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米政治情勢」と「日本の新型コロナ感染拡大」について。
前者は、昨日発生した「トランプ氏支持者の米議会侵入」が、国際的な大問題になった感があり、英国をはじめアチコチの国のトップから、「騒動を煽った」などとしてトランプ米大統領へ批判コメントが殺到。また、民主党のペロシ下院議長が「トランプ大統領の罷免をペンス副大統領に要求」したほか、同じ与党共和党内からも「チャオ米運輸長官が抗議の辞任表明」をするなど、まさに政権末期ともいえる様相が改めて示された格好にある。なお、そうしたなかトランプ氏自身、「1月20日に新政権が発足する」などとし、初めて自身の敗北を認めたようだ。

対して後者は、新型コロナの感染拡大は世界的な問題として依然くすぶるなか、自粛ムードが強かったとはいえ、年末年始の帰省などもあってか、日本の新型コロナ感染者が各地で激増している。そして、関東の1都3県にだされた「緊急事態宣言」について、大阪や兵庫、京都といった関西圏でも要請が決定されたほか、宮崎など一部では独自の「緊急事態宣言」発令方針と伝えられていた。明日から日本は3連休を迎えるが、またもや自粛ムードの強い連休ということになりそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日は、暗号資産ビットコインが初の40000ドル台示現、NYダウなど一部の米株も史上最高値更新−−となるなど、金融市場は依然として大盛況。そうした状況について、筆者ならずとも市場では「さすがに行き過ぎ。バブルの様相を呈している」とやや否定的に考える向きが多いようだが、「もうはまだなり、まだはもうなり」の相場格言どおり、だからこそさらなる高値トライが期待できるような気もする。それら他市場の動きに連れる格好で、ドル/円など為替市場が上下に振れる展開にも引き続き要注意。
そうしたなか、注意すべき要因は大きく2つ。ひとつは依然として「新型コロナ」に関するもので、感染拡大はもちろんのこと、ワクチン接種やそれを受けたアレルギー反応などのニュースにも注意を払いたい。また、いまひとつは「米政治情勢」。トランプ氏がようやく敗北を認めたもようだが、櫛の歯が欠けるように政権末期のドロ船から関係者離脱が続出しているとされ、先行きが懸念される。また、ペンス副大統領が「憲法修正25条発動に反対」したとの報道も観測されたが、トランプ氏罷免の動きも根強く、こちらについても続報などをしっかりと注視したい。

テクニカルに見た場合、昨日は一時的なドルの戻りを予想しており、実際にドルは反発したが、まさかレンジの上限へと回帰するような「全戻し」は想定していなかった。いずれにしても、ドルの弱気ムードが後退し、下値トライは完全に仕切り直しとなった感を否めない。しばらくは104円挟み、103-105円といった新たなレンジを形成し、次の方向性を模索する展開をたどる可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、12月の雇用統計といった米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、先日発表されたADP雇用統計が悪化した反面、昨日の新規失業保険申請件数は逆に予想よりも良い内容だった。いずれにしても、発表前後の金融市場の乱高下には要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.50-104.50円。本日東京高値である104円レベルが目先の抵抗。超えれば、移動平均の90日線も位置する104円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日上回ってきた、これまでの抵抗だった21日線(103円半ば)の攻防に注目。再びしっかりと下回れば、上値トライはダマシ、元の木阿弥になるのだが・・・・・・。

ドル高傾向続くか、米雇用統計発表に注目

ドル円日足


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