ドル円依然レンジ内なるも、微かに動意の兆しあり(12/29夕)

29日の東京市場は、ドルが小安い。

ドル円依然レンジ内なるも、微かに動意の兆しあり(12/29夕)

ドル円依然レンジ内なるも、微かに動意の兆しあり

〇ドル円103円台後半での小動き、米下院給付金引き上げ法案可決へも反応薄
〇市場の関心はコロナの変異種問題等感染状況とワクチン接種状況
〇年末で参加者が減少する中市場の反応は鈍い
〇本日のドル円予想レンジ103.20-104.10、103.75-80レベルの21日線との攻防注視

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、ドルが小安い。NY終盤の流れを継ぎ、緩やかな右肩下がりが続く展開だった。

ドル/円は103.75-80円で寄り付いたものの、ドルはじり安推移。途中、「米下院が給付金2000ドルへの引き上げ法案を可決」といったニュースが報じられたが、ドル買いには繋がらず。むしろ、日中安値である103.60-65円へと一時値を下げた。しかし、安値を示現後は下げ渋ると、低位揉み合いに。16時現在では103.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「新型コロナ」について。
前者は、ロシア大統領府が、来月バイデン米新政権が発足するのを前に連携を確認するため、「プーチン大統領が、中国の習国家主席と電話会談を行った」と発表。様々な思惑も取り沙汰されていた。一方、米国サイドはバイデン氏が、次期政権の安全保障チームと会合後に演説し、中国は競争相手だとしたうえで「人権侵害などの責任を負わせるため、同盟国と結束すればより強固な立場をとれる」と強調していたという。関係改善は程遠い状況か。

対して後者は、先週末に「新型コロナの世界感染者がついに8000万人超」となったことが明らかになったばかりのなか、早くも「感染者は8100万人超」と、わずか2-3日で100万人も感染者が増加したと報じられていた。感染拡大は一向に収まらないどころか、さらに加速している感すら見受けられている。また、変異種についても、NHKが英国で確認された「コロナ変異ウイルス、新たに21の国と地域で確認」と報じたほか、時事通信はそれとも違う「南アフリカで流行中のものと同様の変異種が、日本国内で初めて確認された」と指摘していた。コロナ狂想曲はまだ当面収まりそうにない。

<< 欧米市場の見通し >>

材料的に見た場合、懸案事項だった「米追加経済対策をトランプ氏が無事に署名」、また前述したように「米下院が給付金2000ドルへの引き上げ法案を可決」となった。米国にとって明るい話題が少なくなく、本来であればもう少しドルが買い進められてもおかしくない気がしている。年末相場の薄商いということで市場の反応が鈍くなっている感は否めないが、それも米株の動き次第か。株価の変動には本日も一応要注意。
マーケットでもっとも関心を集めているものは、英国と南ア、2つの「変異種」問題を含めた新型コロナの感染状況だ。プラスして、コロナワクチンの接種状況も注視されている。クリスマスを過ぎ、これから年末・年始を迎えるなか、ロックダウンなど各国の経済や社会活動に与える影響も含め、動静には引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き102.90-103.90円という1円レンジにとどまってはいるが、かつて見られた下限割れをうかがう様相から、一転し上限超えを視界内に捉えた動きとなっている。実際、昨日欧米時間には一時103.89円を示現し、レンジ上限に面合わせする局面も。ファーストトライは失敗に終わった格好ながら、早ければ今日、明日にもセカンドトライを試すとの見方も聞かれていた。「東京休場時の為替市場はよく動く」というジンクスもあることから、ここ数日のドル上値の攻防は要注意かもしれない。

ドル円依然レンジ内なるも、微かに動意の兆しあり

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「就任確実のバイデン新米大統領による政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、10月のS&Pケースシラー住宅価格指数が発表されるうえ、米財務省による7年債の入札が実施される見込みだ。また、決まりものという意味ではないが、英国や欧州情勢を警戒する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.20-104.10円。103.75-80円までレベルを切り下げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防にまず注視。過去1ヵ月半程度に及び、ドルの上値を強く抑制してきただけに、今回もしっかり上抜けるには容易でないのかもしれない。
対するドル安・円高方向は、昨日安値103.41円が目先のサポートに。ただ、割り込んでも下方向のテクニカルポイントは数多く、かなり底堅いイメージだ。(了)

注:ポイント要約は編集部

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