ドル円レンジ内だが、再びドル安不安が台頭(12/30夕)

30日の東京市場は、ドルが続落。大きな意味ではレンジ内だが、一時103.20円台と22日以来の安値を示現している。

ドル円レンジ内だが、再びドル安不安が台頭(12/30夕)

ドル円レンジ内だが、再びドル安不安が台頭

〇ドル円103円台の動き基本レンジ内だが一時22日以来の103.20台に下落
〇NYダウは昨日史上最高値を再び更新するもドル高に結びついておらず、むしろ株高=ドル安が優勢に
〇クリスマス明けとなった投機筋がしばらくのあいだドル安に狙いを定めたとの指摘も聞かれる
〇ドル円相場は2週間に達する102.90-103.90レンジを抜けられず
〇まずは103円台を中心とした足もとのレンジを上下どちらに放れるのか注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ102.90-103.70

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場は、ドルが続落。大きな意味ではレンジ内だが、一時103.20円台と22日以来の安値を示現している。

ドル/円は103.55円前後で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。103円半ばでは底堅く下げ渋ったが、割り込むと、そのまま日中安値である103.20円台まで一気に値を崩した。安値を示現後はドルが小反発に転じるも、上値はすでに重く戻りも限定的。16時現在では103.30-35円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に豪ドルなどオセアニア通貨が堅調裡。豪ドル/円など一部の通貨ペアは、ここにきて年初来高値を更新していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、貿易問題やコロナ、香港情勢など様々な観点から米中が揉めていることは周知のなか、米中以外、たとえば英中や欧中でも対立が目に付くようになってきた。前者については、英外相が香港情勢に関連しコメントしたものについて、中国サイドが批判するとともに「内政干渉を辞める」ように求めたという。対して後者は、EUが米国とともに、中国・武漢から新型コロナウイルスの流行に関する情報を発信し、有罪判決を受けた市民記者、張展氏の釈放を中国に求め対立の姿勢を強めたことが明らかになっている。

対して後者は、世界的な感染拡大が止まらないなか、感染力の強い新型コロナの変異種(英国型)が米国で初めて発見され話題に。そうしたなか、CNNは米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が「ワクチン接種率で米国はおくれを取っている」と悲観的なコメントを発したと報じていたが、それも影響したのかハリス次期副大統領が公開でモデルナ製の新型ワクチンの接種をうけたことに続き、国民にワクチン接種を呼び掛けていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

過熱感はあまりうかがえないものの、NYダウは昨日ザラ場ベースながら、史上最高値を再び更新してきた。高値圏で推移しているだけに、週末に向けては調整の動きにも当然要注意だが、大きな流れは引き続き上方向にバイアスか。ただ、そんな株高が為替市場におけるドル高に結びついておらず、むしろ「株高=ドル安」が優勢に。クリスマス明けとなった投機筋など欧米勢は、しばらくのあいだドル安に狙いを定めたとの指摘も聞かれるなど、こちらはまだ当面ドル安基調が続くことになるかもしれない。
米国や英国における幾つかの懸案事項が妥結をみるなか、マーケットでもっとも関心を集めているものは、英国と南ア、2つの「変異種」問題を含めた新型コロナの感染状況だ。プラスして、コロナワクチンの接種状況も注視されている。そのなかでも、とくに気になるのは前述した「コロナの変異種(英国型)が米国で初めて発見された」との話。年末・年始を迎えるなか、米国にて再び爆発的な感染拡大などを警戒する声が、市場参加者ならずとも聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は2週間に達する102.90-103.90円という1円レンジの上限を週明け28日に試すも越えられず。上値トライが失敗に終わったのちは、むしろ下値リスクを感じさせる展開となっている。ただ、それでも依然としてレンジ内にはとどまっており、いまだ方向性はハッキリしない。まずは、103円台を中心とした足もとのレンジを、上下どちらに放れるのか、その方向性が注視されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「就任確実のバイデン新米大統領による政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、12月のシカゴ購買部協会景気指数や11月の中古住宅販売成約指数といった米経済指標が発表される予定となっているものの、年末年始相場で材料そのものはさほど多くない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは102.90-103.70円。103.75-80円までレベルを切り下げてきた移動平均の21日線がやや遠のいた感を否めない。ごく目先的には、これまでサポートだった103.40円レベルが今度は抵抗として寄与するか否かが注視されている。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の103.25-30円が目先のサポートに。割り込めば103円割れ、前回安値102.88円がターゲットに。(了)

ドル円レンジ内だが、再びドル安不安が台頭

ドル円日足

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