南アランド週報:『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。来週もダウンサイドリスクに要警戒』(9/25朝)

南アランド円相場は、9/10に記録した直近高値7.81円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて一時7.33円(8/26以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げました。

南アランド週報:『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。来週もダウンサイドリスクに要警戒』(9/25朝)

『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。来週もダウンサイドリスクに要警戒』

〇南ア円週央にかけ7.33まで下落、世界的リスク回避ムード、フィッチによる南ア経済悲観見解等が背景
〇売り一巡後は中国恒大集団のデフォルト懸念後退によるリスク選好回復に7.55まで反発
〇テクニカルには主要ポイント下抜け、地合いの弱さ印象付けるチャート形状に
〇ファンダメンタルズも南ア経済先行き不透明感強く、中国の景気減速の影響も懸念される
〇南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

今週のレビュー(9/20−9/24)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.47円で寄り付いた後、@チャイナ・エバーグランデ・グループ(中国恒大集団)を巡るデフォルト懸念や、A米FOMCを控えた警戒感(過剰流動性相場の逆流リスク)、B米金融大手JPモルガンが先週発表した南アランドの利益確定売り推奨レポートの余波、C南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の軟調推移、D世界的に広がるリスク回避ムード、E格付大手フィッチ・レーティングスによる「南ア経済は引き続き困難に直面する」との見解発表が重石となり、週央にかけて、週間安値7.33円(約1ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、E中国恒大集団の子会社である恒大地産が社債利払いを行う旨発表したこと(リスク回避ムードの後退)や、F欧米株の持ち直し(FOMCを経てリスク選好ムードが再燃)、G南ア8月消費者物価指数(結果4.9%、予想4.8%)の伸び率高進、H上記Gを背景とした南ア中銀による利上げ観測(南ア中銀は9/23に開催された政策決定会合で政策金利の据え置きを決定するも、四半期予測モデルでレポレートの上昇を示唆)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.55円まで反発しました。もっとも、一目均衡表転換線をバックに続伸を阻まれると、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間9/25午前6時00分時点)では7.39円前後で推移しております。

来週の見通し(9/27−10/1)

南アランド円相場は、9/10に記録した直近高値7.81円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて一時7.33円(8/26以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げました。この間、一目均衡表転換線や基準線、90日移動平均線や200日移動平均線といった主要チャートポイントを軒並み下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国を巡る景気減速懸念(中国恒大集団を巡るデフォルト懸念)、BJPモルガンやフィッチ・レーティングスによる同国に対する弱気な見解(投資家マインドに影響を及ぼす恐れ)、Cインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(脆弱な南ア経済を背景に南ア中銀が利上げに踏み切れないリスク)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア8月生産者物価指数や南ア8月貿易収支以外に特段イベントが予定されていない為、中国恒大集団を巡るヘッドラインや、米長期金利の動向、商品市況の値動き(特にプラチナ価格)に振らされる主体性の無い相場展開を予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。来週もダウンサイドリスクに要警戒』

南アランド円日足

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