基本レンジ予想だが、注目材料は少なくない(12/23夕)

23日の東京市場は、ドルが小安い。値動き的には緩やかな右肩下がりといった様相だったが、値幅そのものはわずか20ポイント強だった。

基本レンジ予想だが、注目材料は少なくない(12/23夕)

基本レンジ予想だが、注目材料は少なくない

〇ドル円、緩やかな右肩下がりで値幅はわずか20ポイント強
〇日本「英国からの帰国者への待機免除措置を当面のあいだ停止する」と発表
〇ロイター「英ITVのエディターが通商協議は23日に合意の可能性もあるとの見方を示した」と報じる
〇トランプ大統領、9000億ドルの「経済対策・歳出法案」の修正を求める
〇103円台を中心とした狭いレンジでの一進一退がしばらく続く
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.10-103.80

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドルが小安い。値動き的には緩やかな右肩下がりといった様相だったが、値幅そのものはわずか20ポイント強だった。

ドル/円は103.60-65円で寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。クリスマスにらみで商いが閑散とするなか、上値も重く寄り付きレベルがキャップしたものの、下値も限られた。しかし、徐々に下値を崩すと日中安値である103.40-45円へと小緩む展開に。結局、16時現在ではドルの安値圏である103.45-50円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「英EU通商交渉」について。
前者は、チリ軍が「南極で初のコロナ感染を確認」と発表、これでコロナウイルスは世界7大陸すべてに及んだことが明らかになった。世界的な感染拡大は依然として止まらない。一方で、「英国におけるコロナ変異種の感染拡大」をめぐる混乱を嫌気した動きから、フランスが「英との国境閉鎖を23日に解除する」と発表していたが、世界的な流れはむしろ逆方向。実際、日本も加藤官房長官が「英国から帰国したひとへの待機免除措置を当面のあいだ停止する」などと発表していた。

対して後者は、引き続き楽観と悲観、両サイドの見通しがそれぞれ複数報じられている。そうしたなか、バルニエEU首相交渉官が「交渉は重要な局面に入っており、最後のひと押しを行っている」と発言するなど、交渉当事者のコメントを信じるなら、基本的にいま少し時間がかかりそうな雰囲気。ただ、ロイターが「英ITVのエディターが通商協議は23日に合意の可能性もあるとの見方を示した」と報じたことで、一時期待感が先行する局面も。

<< 欧米市場の見通し >>

為替に限らず、金融市場はクリスマスモードを強めており、参加者の減退は顕著。ただ、そうしたなか注目材料は、かなり多い状態だ。基本的にドル/円の市場動意は来週へと持ち越しされると予想するが、それら材料如何で予断は許さず。これまでにも再三再四指摘してきたように、「薄商い=荒れ相場」となる展開にも一応要注意か。いずれにしても、リスク管理だけはしっかりとしておきたいところだ。
先で取り上げたように、英国関連の注目要因が多く、相場の波乱要因としてとくに警戒されている感を否めない。ただ、米国についても、上下両院をすでに通過し、大統領の署名待ちという状態になっていたトータル9000億ドルの「経済対策・歳出法案」の修正をトランプ米大統領が求めたことが明らかとなったことは気掛かり。よもや、土壇場でのちゃぶ台返しはないと思うのだが・・・・・・。

テクニカルに見た場合、ドル/円はリスクという意味で下方向への警戒感が取り沙汰されているものの、気が付くと102.90-103.90円という1円レンジがすでに1週間も続いている。つまり、短期的な方向性は喪失している状態と言わざるを得ない。先でも指摘したクリスマス前ということでの「薄商い=荒れ相場」にも一応要注意ではあるが、基本的には103円台を中心とした狭いレンジでの一進一退がしばらく続くとの見方が有力だ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、週間ベースの新規失業保険申請件数や12月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米GDP確定値は改定値から上方修正された好数字だったが、雇用指標などは果たしてどうか。前者については、前週までの再増加という悪化に歯止めがかかるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.10-103.80円。昨日時間足ベースで何度もドルの上昇をブロックした103.70円前後が最初の抵抗に。超えれば直近高値103.89円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、短期的には103.20円レベルがサポートとして、引き続き意識されている。割り込めば103円割れ、直近安値102.88円が視界内に捉えられそうだ。


*ご連絡;誠に恐れ入りますが、24日(木)のクリスマスイヴと25日(金)のクリスマス当日は、主要な欧米市場が休場になりますので、当レポートを休刊とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

基本レンジ予想だが、注目材料は少なくない

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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