南アランド週報:『テクニカル主導で堅調推移。200日線を8ヵ月ぶりに突破』(10/24朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、週末にかけて、約1ヶ月ぶり高値となる6.47円まで上昇しました。

南アランド週報:『テクニカル主導で堅調推移。200日線を8ヵ月ぶりに突破』(10/24朝)

『テクニカル主導で堅調推移。200日線を8ヵ月ぶりに突破』

〇南ア円転換線をバックに堅調推移、貴金属市場の上昇にも支えられ200日線突破6.47まで上昇
〇南ア円テクニカルには持ち直しの兆し見えるも、ファンダメンタルズ弱く上値は限定的か
〇南ア円相場の反落がメインシナリオ
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.30ー6.60

今週のレビュー(10/19−10/23)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.37円で寄り付いた後、早々に週間安値6.36円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@堅調な株式市場を背景としたリスク選好のドル売り・円売り圧力(米追加景気対策期待の高まり)や、A金や銀、銅など貴金属市場の底堅い動き、B強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されてきた200日移動平均線の8ヶ月ぶり突破(終値ベースで200日線を突破したのは2020年2月21日以来)、C上記Bを背景としたテクニカル的な地合いの強さが支援材料となり、週末にかけて、週間高値6.47円まで上昇しました(9/18以来、約1ヵ月ぶり高値圏)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.46円前後での越週となっております。

来週の見通し(10/26−10/30)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、週末にかけて、約1ヶ月ぶり高値となる6.47円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。目先は9/18に記録した高値6.50円を突破できるか否かに注目が集まります。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が残っています。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます(上値余地は限定的)。新型コロナウイルスや米中対立に関するヘッドライン、株式市場及び商品市況(特に貴金属市場)の動向、南アフリカの主要経済イベントの結果(10/28に予定されているムボウェニ南ア財務相による中間予算の発表や、南ア9月消費者物価指数、10/29の南ア9月生産者物価指数、10/30の南ア9月貿易収支など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.30ー6.60

注:ポイント要約は編集部

『テクニカル主導で堅調推移。200日線を8ヵ月ぶりに突破』

南アフリカランド円日足

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