トルコリラ円見通し 10月22日のトルコ中銀金融政策発表前の買い戻し続く(20/10/21)

10月20日夜はドル円の上昇とユーロ高ドル安による対ドルでのリラ安一服感もあり13.41円まで戻り高値を切り上げ、その後も13.40円を挟んで高値圏を維持している。

トルコリラ円見通し 10月22日のトルコ中銀金融政策発表前の買い戻し続く(20/10/21)

10月22日のトルコ中銀金融政策発表前の買い戻し続く

〇トルコリラ円、20日夜13.41まで戻り高値を切り上げ、高値圏維持
〇対ドルでは、21日早朝に7.84まで戻し20日朝高値を上抜く
〇22日の金融政策決定会合、現行の10.25%から12%へ2会合連続利上げの見方強まる
〇アルメニアとアゼルバイジャン両国外相、ポンペオ米国務長官と23日にワシントンで会談
〇13.33以上での推移中は13.45前後への上昇を想定、13.45以上は反落注意
〇13.33割れなら13.30割れ試し、なお続落なら13.27前後へ下値目途を引き下げる

【概況】

トルコリラ円は史上最安値更新を続けてきたが、10月15日夜安値13.21円からは持ち直しの動きに入っている。トルコリラを巡る売り材料は目白押しだが、連日の史上最安値更新により材料の折り込みも進む中で10月22日のトルコ中銀金融政策決定会合において利上げの可能性が強まってきたとの市場心理を反映し、ひとまずポジション調整的な買い戻しの動きに入っている印象だ。
10月20日夜はドル円の上昇とユーロ高ドル安による対ドルでのリラ安一服感もあり13.41円まで戻り高値を切り上げ、その後も13.40円を挟んで高値圏を維持している。
対ドルでのトルコリラは10月14日夕刻に7.954リラまで史上最安値を更新したが、16日夜安値は7.953リラにとどまってダブル底型を形成、10月9日夕刻安値7.952リラも含めればトリプルボトム型を形成して上昇に入り、21日早朝には7.84リラまで戻して20日朝高値を上抜いている。

【10月22日のトルコ中銀金融政策決定会合迫る】

10月22日にトルコ中銀の金融政策決定会合がある。9月会合で4会合ぶりに利上げに踏み切り、利上げ幅も2.0%と大きかったことで市場もトルコリラに対する強気サプライズ反応を示したが、9月27日に勃発したナゴルノ紛争による地政学的リスクの高まりで利上げによるリラ上昇分が吹き飛んで対円及び対ドル等での史上最安値更新に陥った。
今回の会合については当初は現状維持との見方が濃厚だったものの、現時点では現行の10.25%から12%へ2会合連続の利上げを決定するのではないかとの見方が強まっている。
仮に連続利上げならトルコリラにとっては再び強気反応となるだろうが、連続利上げが見送られる場合は逆に弱気反応が大きくなる可能性もある。ナゴルノ紛争も泥沼ではあるが停戦へ向けた動きも出ている中で連続利上げへ踏み切り、紛争もいったん落ち着くようならリラ買い戻しの動きも強まる可能性のあるところだ。

【ナゴルノ・カラバフ紛争、米国も介入】

ロシアのプーチン大統領とフランスのマクロン大統領は10月20日にナゴルノ・カラバフ紛争について電話会談を行い、両国が再び停戦交渉をする必要があるとの考えで一致したと報じられた。仏露首脳はナゴルノカラバフ地域を巡る民族紛争の調停に向けて欧州安保協力機構(OSCE)が設置した「ミンスクグループ」の共同議長国を米国とともに務めている。
アルメニアとアゼルバイジャン両国は20日、それぞれの外相がポンペオ米国務長官と23日にワシントンで会談すると発表した。両国の外相が同時にポンペオ長官と会談を行うのか個別会談となるのかは不明だが、米国も問題解決へのプレゼンスを強めようとしてきている印象であり、両国にとっても実質的な停戦へ向かいやすい外部環境となりつつあると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日深夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日夜から15日深夜にかけての間への下落を想定してきたが、15日夜安値からの反発が続いたために20日午前時点では10月15日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。また高値形成期は22日のトルコ中銀政策金利発表を前後するところまでとした。20日夜へ高値を切り上げてその後も確りしているのでまだ上昇余地ありとみるが、21日から22日午前にかけては買い戻し一巡からの調整安入りしやすいと注意し、20日午後安値13.33円割れからは政策金利発表前へ続落しやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では15日夜安値からの上昇が続いたことで遅行スパンは好転し、先行スパンも上抜いてきたが、その後も両スパン揃っての好転を維持している。このため遅行スパン好転中は高値試しを続けやすいとみるが、遅行スパン悪化からはいったん調整安に入るとみて安値試し優先とする。その際は先行スパン下限が下値支持線になりやすいとみる。

60分足の相対力指数は50ポイント前後を支持線としてしっかりしているが、70ポイント超えには進めずにいる。50ポイント台を維持するうちは上昇余地ありとし、50ポイント割れからはいったん調整安に入るとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、10月20日午後安値13.33円下値支持線、13.45円を上値抵抗線とする。
(2)13.33円以上での推移中は上昇余地ありとして13.45円前後への上昇を想定する。13.45円以上は反落注意とするが、13.33円以上での推移なら22日午前も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)13.33円割れの場合は13.30円割れを試すとみる。13.30円割れは買い戻しも入りやすいとみるが、13.30円割れから続落の場合は13.27円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な経済指標等の予定】

10月22日
 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0、予想 79.0)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%、予想 12.0%)
 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)
10月26日
 16:00 10月景況感 (9月 105.3)
 16:00 10月設備稼働率 (9月 74.6%) 

注:ポイント要約は編集部

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