ドル/円は依然レンジ、欧州通貨主導継続か(10/17夕)

週明け19日の東京市場は、レンジ取引。ドルは底堅いものの、上値も重く、結局105円台前半を中心とした一進一退に終始している。

ドル/円は依然レンジ、欧州通貨主導継続か(10/17夕)

ドル/円は依然レンジ、欧州通貨主導継続か

〇ドル円、底堅く上値重く、105円台前半を中心とした一進一退
〇中国全人代常務委員会にて「国旗法改正案」「輸出規制法」可決
〇米追加経済対策、ペロシ米下院議長「11/3の大統領選までの成立を楽観している」
〇ドルや円よりもポンドやユーロ、トルコリラなど欧州通貨の動き注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.10-105.80

<< 東京市場の動き >>

週明け19日の東京市場は、レンジ取引。ドルは底堅いものの、上値も重く、結局105円台前半を中心とした一進一退に終始している。

先週末は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果として、新型コロナの世界感染者がいよいよ4000万人台乗せとなることが見えてきたほか、 NZ総選挙で与党が圧勝したとの報道、米大統領選に向けた支持者集会でのトランプ氏など候補者発言が話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は105.30-35円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。105.30-50円といった20ポイント程度のレンジ取引で方向性は乏しい。途中、中国の経済指標が発表され、事前予想比では斑模様ながら、数字そのものは良好な内容に。ただ、為替市場への影響は限定的にとどまった。16時現在、ドル/円は105.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。
また、前述したNZ総選挙の結果から、NZドル買いを期待する向きも多かったが、こちらも結果小動き。「ご祝儀買い」なども限られた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選を控えたトランプ発言」と「中国情勢」について。
前者は、週末に実施した支持者集会での幾つかの発言が思惑を呼ぶ。新型コロナウイルスの感染対策に力を入れている野党・民主党のホイットマー・ミシガン州知事について、支持者に煽られる格好ながら「彼女を刑務所に入れろ」と同調したコメントを発したことで非難も。また「米経済は現在失速しているが、来年回復しもっとも素晴らしい年のひとつになる」、「大統領選に敗北したら米国を去るかもしれない」、「投稿しようとしたトランプ陣営やホワイトハウスの報道官の私用アカウントを一時凍結するツイッターなどのソーシャルメディアはバイデン氏の味方」−−など、まさに言いたい放題だった。

対して後者は、米紙WSJが「中国政府、報復で活動する米国人研究者の逮捕に踏み切る可能性を米国側に警告」と報じ話題に。そうしたなか開催された中国全人代常務委員会において、国旗の尊厳を損なうことを禁じた「国旗法改正案」が可決されたうえ、国家の安全に関わる技術や物資の輸出を制限する新法「輸出規制法」も同じく可決されている。ともに、米国の反応が気になるところで、今後報復合戦がさらに過熱する可能性も否定できない。

<< 欧米市場の見通し >>

米大統領選については、市場筋の関心が高く、波乱要因として見込まれているものの、22日に「トランプ氏とバイデン氏の討論会」が控えていることもあり、それまでは基本様子見か。ただ、そうしたなか長期化の様相を呈していた追加経済対策について、ペロシ米下院議長が「11月3日の大統領選までの成立を楽観していると述べた」と報じられており、こちらが再びクローズアップされてきた。協議の進展など動静には引き続き要注意。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」など注目要因は依然として目白押し。そのなかでももっとも注視されているのは前述した「米大統領選の行方」だが、それ以外でも「新型コロナの再拡大とワクチン開発」、「英国情勢」の2つをとくに警戒する声が少なくないようだ。また相場との絡みでいえば、ドルや円よりもポンドやユーロ、トルコリラなど欧州通貨の動きを注視している向きが多い感を否めない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は下値が堅く、過去1ヵ月近く105円をしっかりと割り込めていないものの、反面で上値も重い。過去3週間程度のドル高値が106.11円となっているだけでなく、期間を過去1週間程度と狭めれば高値は実に105.60円レベルとなる。つまり、ザックリ言って最近は105.00-60円という非常に狭いレンジ取引だ。いずれにしても、まずは前記した狭いレンジ、そしてさらには広いレンジの脱却のタイミングと方向性が注視されている。

一方、本日は、10月のNAHB住宅市場指数という米経済指標が発表される予定となっているほか、本日も欧米要人による講演などの発言機会が相次ぐ。後者について米国でいえば、FRBの正副議長による講演が実施される見込みとなるなど、各種の要人発言が相場の波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.10-105.80円。過去1週間近くドルの上値を阻んできた105.50-60円が最初の抵抗で、上抜ければ直近高値の106.11円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末の東京時間などに底練りとなった105.20円レベルがサポートとして意識されているようだ。割り込めば105.04円、あるいは104.95円を目指す展開か。

ドル/円は依然レンジ、欧州通貨主導継続か

ドル円日足

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