ドル円、米株急落もリスク回避のドル買いと円買いに挟まれ身動き取れず
〇ドル円105円台半ばNYダウ大幅下落にもかかわらず値幅20銭
〇リスク回避のドルが買い、円買いが均衡
〇ユーロドル英、EU交渉継続で一時1.1792まで上昇
〇ドル円テクニカルには105円台半ばにテクニカルポイント集中、上昇余地乏しいか
〇ファンダメンタルズもドル円下落想起させる材料多い
〇リスク回避の動き強まればクロス円経由での円高も、ただし5、10日需要での10時前の上昇には注意
〇本日の予想レンジ:105.00ー105.80
海外時間の為替概況
19日(月)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。@注目された中国の主要経済指標が強弱まちまちの結果となったこと(中国の第3四半期GDPが市場予想を下回る冴えない結果となった一方、中国9月小売売上高及び9月鉱工業生産は市場予想を上回る結果)や、A米主要株価指数の下落(引けにかけてダウ平均株価は400ドル超へと下げ幅拡大)を背景にリスク回避のドル買い・円買いが広がったこと(ドルと円が同一方向に引っ張り合ったこと)で、ドル円は上下共身動きが取れず、終始105円台半ばでの方向感に欠ける値動きとなりました(1日の値幅は僅か20銭)。
19日(月)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売りや、Aフロスト英・EU担当交渉官とバルニエ英EU離脱・欧州委員会主席交渉官が10/19夜に電話会談をするとの一部報道(英合意無き離脱リスクの後退→英ポンド急伸→ユーロドル連れ高 ※英首相報道官はその後「フロスト氏とバルニエ氏の交渉は建設的だった」とコメント)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、4営業日ぶり高値となる1.1792まで上昇しました。しかし、心理的節目1.1800をバックに伸び悩むと、B米主要株価指数の急反落を受けたリスク回避のドル買い(米主要株価指数はプラス圏から反落に転じ、一時400ドル超へと下げ幅拡大)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、1.1769近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/14には一時105.04(約2週間ぶり安値)まで下落しました。この間、一目均衡表雲下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線や基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております(足元やや反発に転じるも、105円台半ばには一目均衡表転換線や基準線など、主要レジスタンスポイントが密集している為、ここからの続伸余地は乏しいと判断=戻り売りに警戒)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不安(10/22に予定されている第2回大統領候補討論会や、11/3の米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染拡大の動き)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスク(追加景気対策を巡る報道は二転三転)、I英国の合意無き離脱リスクなど、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策を巡るヘッドラインや、欧米株や米長期金利の動向(米主要株価指数が下落に転じたことで本日はアジア株の全面安に警戒)、米主要経済指標の結果(米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数など)、英国の合意無き離脱リスクを巡る続報を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(リスク回避ムード再燃→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路を想定。但し、本日は5・10日となる為、公表相場決定=日本時間9時55分にかけてドル円が底堅く推移する可能性がある点には留意が必要)。
本日の予想レンジ:105.00ー105.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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