ドル円、狭いレンジ内で膠着。米追加景気対策を巡る報道が二転三転(10/9朝)

8日(木)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で膠着。

ドル円、狭いレンジ内で膠着。米追加景気対策を巡る報道が二転三転(10/9朝)

ドル円、狭いレンジ内で膠着。米追加景気対策を巡る報道が二転三転

〇ドル円106円近辺で膠着一日の値幅わずか18銭
〇ペロシ下院議長は航空会社支援法案のみの可決を拒否、リスク選好ムードやや後退
〇ユーロドルリスク選好回復で一時1.1781まで上昇
〇その後ECB議事要旨でのユーロ高懸念、英合意なき離脱リスク再燃で1.1733まで反落する場面も
〇ドル円テクニカルには下値の堅さ印象付ける
〇ファンダメンタルズは相場下落を示唆する材料多い
〇本日の予想レンジ:105.60ー106.30

海外時間の為替概況

8日(木)の外国為替市場でドル円は狭いレンジ内で膠着。@トランプ米大統領が前日海外時間に「航空会社や中小企業への的を絞った支援策案」を打ち出したことで(株高→リスク選好の円売り)、日本時間朝方にかけて、一時106.11まで上昇しました。しかし、前日高値106.12をバックに伸び悩むと、Aペロシ米下院議長による「包括的な支援策が無い状態で航空会社への支援法案のみが通過することはない」との発言(上記@の的を絞った支援策期待の後退→米景気対策を巡る報道が二転三転→リスク選好ムード後退→円高)や、B米新規失業保険申請件数(結果84.0万件、予想82.0万件)の冴えない結果が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、106.02近辺で推移しております。尚、1日の値幅は僅か18銭に留まりました。

8日(木)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表(前日海外時間)や、A上記@を背景としたリスク選好ムード(株高→ドル売り・円売り)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1781まで上昇しました。しかし、前日高値1.1783をバックに伸び悩むと、BECB議事要旨にてユーロ高への懸念が示されたことや、CバルニエEU主席交渉官による「15日のEU首脳会議までに英国との通商交渉が合意に達するとは思わない」との発言(英合意無き離脱リスク再燃)が重石となり、米国時間朝方にかけて、一時1.1733まで反落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1755近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、9/21に記録した約半年ぶり安値104.00をボトムに反発に転じると、10/7には一時106.12(9/14以来の高値)まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を上抜けした他、心理的節目106.00も突破するなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(目先は106.18近辺に位置する一目均衡表雲上限を突破できるか否かに注目。10/7高値106.12、10/8高値106.11といったように、足元では2日連続で一目均衡表雲上限突破を阻まれる展開)。

ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3に予定されている米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧州を中心にロックダウン再開リスク)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。財政の崖リスクの顕在化)、H英合意無き離脱リスクの再燃、I米追加景気対策の後ずれリスクなど、ドル円相場の反落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。株式市場の動向や、新型コロナウイルス(1日あたりの感染者数は過去最多)及び英国情勢に関するヘッドライン、米中の主要経済指標の結果(中国9月財新サービス業PMI、米8月卸売売上高など)、米追加景気対策に関する続報(米追加景気対策を巡っては報道が二転三転)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします(週末を前にしたポジション調整や、一目均衡表雲上限を背にした戻り売りがドル円の重石)。

本日の予想レンジ:105.60ー106.30

注:ポイント要約は編集部

ドル円、狭いレンジ内で膠着。米追加景気対策を巡る報道が二転三転

ドル円日足

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