南アランド週報:『テクニカル主導で持ち直すも上値余地は乏しい。一巡後の反落に警戒』(10/1朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約2週間ぶり高値6.40円まで上昇しました。

南アランド週報:『テクニカル主導で持ち直すも上値余地は乏しい。一巡後の反落に警戒』(10/1朝)

テクニカル主導で持ち直すも上値余地は乏しい。一巡後の反落に警戒

〇南ア円、トルコリラの下落につれ週明け6.11まで下落するも持ち直し6.36で越週
〇南ア円テクニカルに回復の兆しが見られるがファンダメンタルズの弱さが続伸阻む
〇南ア経済の弱さ貴金属市場低迷が重石 一巡後の反落要警戒
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45

今週のレビュー(9/28−10/2)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.16円で寄り付いた後、早々に週間安値6.11円まで下落しました(トルコリラ急落→新興国通貨急落→南アランド連れ安の波及経路と、金や銀など貴金属市場急落→南アランド連れ安の波及経路)。しかし、先週木曜日に記録した安値6.11円をバックに下げ渋ると、@欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好ムードの高まりや、A貴金属市場(金や銀など)の持ち直し、B南ア第2四半期失業率の大幅改善(結果23.3%、前回30.1%)、C南ア9月消費者物価指数の小幅鈍化(結果3.1%、予想3.2%)が支援材料となり、週末にかけて、約2週間ぶり高値となる6.40円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.36円での越週となっております。

来週の見通し(10/5−10/9)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約2週間ぶり高値6.40円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上下限や、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(失業率のヘッドラインは良かったものの、労働力人口の大幅減など内容は悪い)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ。11/3に予定されている米大統領選に向けて米中関係は一段と悪化する公算大)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染再拡大傾向→資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路に要注意)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや米中対立関連報道、欧米株や商品市況(特に貴金属市場)の動向(※トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染を受けてリスク回避ムードが再燃するか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル主導の反発は一時的。脆弱な経済ファンダメンタルズや貴金属市場の低迷が南アランドの重石。来週は一巡後の反落に要警戒)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45

注:ポイント要約は編集部

テクニカル主導で持ち直すも上値余地は乏しい。一巡後の反落に警戒

南アランド円日足

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る