テクニカル主導で持ち直すも上値余地は乏しい。一巡後の反落に警戒
〇南ア円、トルコリラの下落につれ週明け6.11まで下落するも持ち直し6.36で越週
〇南ア円テクニカルに回復の兆しが見られるがファンダメンタルズの弱さが続伸阻む
〇南ア経済の弱さ貴金属市場低迷が重石 一巡後の反落要警戒
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45
今週のレビュー(9/28−10/2)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.16円で寄り付いた後、早々に週間安値6.11円まで下落しました(トルコリラ急落→新興国通貨急落→南アランド連れ安の波及経路と、金や銀など貴金属市場急落→南アランド連れ安の波及経路)。しかし、先週木曜日に記録した安値6.11円をバックに下げ渋ると、@欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好ムードの高まりや、A貴金属市場(金や銀など)の持ち直し、B南ア第2四半期失業率の大幅改善(結果23.3%、前回30.1%)、C南ア9月消費者物価指数の小幅鈍化(結果3.1%、予想3.2%)が支援材料となり、週末にかけて、約2週間ぶり高値となる6.40円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.36円での越週となっております。
来週の見通し(10/5−10/9)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約2週間ぶり高値6.40円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上下限や、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(失業率のヘッドラインは良かったものの、労働力人口の大幅減など内容は悪い)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ。11/3に予定されている米大統領選に向けて米中関係は一段と悪化する公算大)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染再拡大傾向→資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路に要注意)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや米中対立関連報道、欧米株や商品市況(特に貴金属市場)の動向(※トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染を受けてリスク回避ムードが再燃するか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル主導の反発は一時的。脆弱な経済ファンダメンタルズや貴金属市場の低迷が南アランドの重石。来週は一巡後の反落に要警戒)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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