トルコリラなど欧州通貨により要注意か(9/28夕)

週明け28日の東京市場は、レンジ内で乱高下。日米株価などをにらみ一喜一憂、上下に振れるやや激しめの展開だった。

トルコリラなど欧州通貨により要注意か(9/28夕)

トルコリラなど欧州通貨により要注意か

〇ドル円、日米株価などをにらみ上下に振れるやや激しめの展開
〇トルコリラ円、13.37レベルの史上最安値更新後、急速な買い戻しで「行って来い」
〇NYタイムズ「トランプ氏、過去15年間のうち10年間所得税を納めてこなかった」と報道
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.00-105.80

<< 東京市場の動き >>

週明け28日の東京市場は、レンジ内で乱高下。日米株価などをにらみ一喜一憂、上下に振れるやや激しめの展開だった。

先週末には、全世界の新型コロナ感染者が3300万人、死者数も100万人に達したことが明らかに。依然として感染拡大が続くなか、WHOの担当者が「パンデミック封じ込めに向けた協調行動が取られなければ、世界のコロナ死者は200万人に倍増の恐れもある」などと述べたことが話題となっていた。
そうしたなかドル/円は105.40-45円でオープンしたのち、日中高値である105.65-70円へと上伸。しかしドルは上げ渋ると、緩やかな右肩下がりとなり、105.25円近くまで下落している。16時現在では小戻した105.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、それとは別にトルコリラがやや荒っぽい変動。対円では一時13.37円レベルまで値を下げ、史上最安値を更新するも、その後は急速な買い戻しが観測されると、結局「行って来い」。そんなトルコリラが急落した背景には、隣国アゼルバイジャンとアルメニアが紛争地をめぐり大規模な戦闘に発展したことが嫌気されていたと一部で取り沙汰されている。

一方、材料的に注視されていたものは、「トランプ氏の動き」と「米中の対立」について。
前者は、トランプ米大統領が参加した集会で、「郵便投票により大統領選の結果判明に数ヵ月の遅れが生じる可能性がある」と述べたうえ、別の機会にギンズバーグ連邦最高裁判事の後任として、女性で保守派のバレット連邦控訴裁判事を指名すると正式に発表した。ただ、後者は前者と絡めた動き、つまり選挙戦後の法廷闘争をにらんだものとして野党・民主党からの反対論が根強い。また、それとは別にNYタイムズが「トランプ氏、過去15年間のうち10年間所得税を納めてこなかった」などと報道、物議を醸していたようだ。

対して後者は、英紙FTが、「中国半導体受注生産のSMICに米国企業が特定製品を輸出する場合、事前に米商務省の許可を得るように求めていることがわかった」と報じるなど輸出規制が明らかになるなか、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」をめぐるワシントン地裁の要求に対し、米政府は「配信禁止を堅持する」と説明したという。しかし、後者については、そののち米連邦地裁が「TikTok配信禁止命令を一時的に差し止める」と発表、使用はひとまず継続されることになった。ただ、これで争いに完全決着がついたわけではなく、まだまだ予断は許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の基調はドルの戻り歩調だと思われるが、先週末に続き本日の東京でも105.70円レベルでドルが上げ止まったことはやや気掛かり。今週は注目材料目白押しのなか、ドルの上値が重い状況がしばらく続く可能性も否定できない。なお、ドル/円の動きもさることながら、チャートの形状などを加味した場合、前述したトルコリラやポンド、ユーロなどの動きにも要注意。広義の欧州通貨をめぐる価格変動にも、是非注意を払いたいところだ。
材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。今週は週末の9月雇用統計をはじめとする重要な米経済指標の発表が相次ぐうえ、明日29日の「米大統領候補、第1回討論会」など注目イベントも少なくない。また、米地裁から「配信禁止命令を一時的に差し止める」と発表されてしまったTikTokをめぐる米政権サイドの動きなども気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、先週24日以降のドル/円は105.20-70円という50ポイントレンジを形成している。本日東京時間にも、両サイドのブレークを試した感が見られたが、抜けることは出来なかった。まずは、そんな足もとの50ポイントレンジをめぐる攻防、どちらにブレークするのかその方向性に注意を払いたい。

一方、本日は、9月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定で、まずはその内容が注視されている。週末の9月雇用統計に向け、よい内容を示せるのか否か注目だ。
また、メスター・クリーブランド連銀総裁の講演や、欧州ではラガルドECB総裁による議会証言などが予定されているようだ。今週も、要人の発言が波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-105.80円。時間足など短期ベースでは、本日東京高値も近い105.70円レベルが最初の抵抗。上抜ければ106円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた105.20円レベルが目先のサポートとして寄与している感があり、まずはその攻防が注目されている。下回ると105円割れ、104.80円や104.40円などが意識されかねない。

トルコリラなど欧州通貨により要注意か

ドル円日足


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