ドル円、105円台半ばで方向感に欠ける展開。イベントを前に様子見姿勢広がる
〇ドル円105円台を方向感なく推移
〇株価回復によるリスク選好のドル売りと良好な経済指標・景気対策協議再開からのドル買いの綱引き
〇ユーロドル1.1678まで上昇後、ラガルド総裁のユーロ高牽制・追加緩和示唆で伸び悩む
〇ドル円テクニカルにファンダメンタルズともに地合い弱く戻り売り優勢の展開予想
〇本日は明日の大統領選テレビ討論を前に様子見か、反期末需給には注意
〇本日の予想レンジ:105.00ー105.75
海外時間の為替概況
28日(月)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。@堅調な株式市場を背景としたリスク選好のドル売りが重石となり、アジア時間には一時105.26まで下落しました。しかし、A米9月ダラス連銀製造業活動指数の良好な結果(約2年ぶり高水準)や、B米追加景気対策期待(ペロシ下院議長とムニューシン米財務長官が米景気対策を巡る交渉を再開)が支援材料となると、米国時間にかけて、105.67まで反発する場面も見られました。もっとも、先週末金曜日に記録した高値105.71をバックに伸び悩むと、引けにかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、105.47近辺まで押し返される展開となっております。
28日(月)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@堅調な株式市場(株高→リスク選好のドル売り→ユーロドル上昇)を背景に、米国時間朝方にかけて、一時1.1678まで上値を伸ばすも、先週末金曜日に記録した高値1.1686をバックに伸び悩むと、AラガルドECB総裁による「ユーロ高がインフレ圧力に繋がる」「必要とあれば全手段を修正する用意がある」とのユーロ高牽制及び追加緩和の可能性を滲ませる発言や、B米経済指標の良好な結果、C米追加景気対策期待が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1665近辺まで押し返される展開となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/28に記録した高値106.96をトップに反落に転じると、9/21には一時104.00(約半年ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(足元反発に転じるも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが密集する105円台半ばで伸び悩む展開)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不安、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3に予定されている米大統領選への警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。財政の崖リスクの顕在化)、H英合意無き離脱リスクの再燃など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「戻り売り優勢」の展開が見込まれます。株式市場の動向(株高地合いが続くか否か)や、米中対立及び英国情勢に関するヘッドライン、米主要経済指標の結果(米7月ケース・シラー住宅価格指数や、米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数など)、新型コロナ第2波に関する続報を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(明日9/30=現地時間9/29に予定されているトランプ氏とバイデン氏の初のテレビ討論会を前に本日はやや様子見ムードが広がり易い展開か。但し、四半期末・月末は需給相場になり易いことから、突発的なボラティリティ拡大には要注意)。
本日の予想レンジ:105.00ー105.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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