欧州中央銀行(ECB)政策金利に関するラガルド総裁の記者発表要旨
昨日、ECB金融政策会合が開催され、従前の予想通りに据え置きとなりました。
ECB金融政策は据え置きでしたので、今回はラガルド総裁の記者会見で為替関連中心に一部を抜粋しました。
ラガルド総裁の記者会見の一部抜粋です。
@ 前回7月の会合以降に入手したデータを見ると、従前の予想に沿った強い経済反発力を示唆したものだった。しかしながら、パンデミック前の水準よりははるかに低いままである。
A 製造業部門は改善を続けているが、サービス部門は最近減速した。
B 増大する経済の先行き不透明感により、個人消費や企業投資が圧迫されている。
C 従い、緩和政策は経済回復や中期の物価安定を支えるのに必要であり、緩和政策スタンスの再確認を決めた。
D 現行の不確実性が増す環境に鑑み、理事会は、中期インフレ目標と密接に関連する為替レートの進展も含め、今後入手する情報を注意深く査定することにする。
E 2020年2QのGDPはマイナス11.8%だったが、最近までの入手したデータによれば3Qは強く反発すると示唆している。
F 2020年のGDP年率は8.0%のマイナス、2021年には+5%、2022年には+3.2%を予想している。
G (質疑応答の項目)私はユーロ高に関する貴女(ラガルド総裁)のコメントについて質問したい。貴女は広範囲にわたって議論したと述べ、同時に、貴女とECBは過度にユーロ高には関心ないように感じられる。この見方は全ての政策立案者で共有できるものですか?
(回答)私はユーロ高が果たす役割に関し、関心があることを明白にしたと思っている。増大する不確実性がある現況下で、理事会は、中期インフレ目標と密接に関連する為替レートの進展を含めて、入手する情報を注意深く査定するだろう。 為替レートと我々の通貨高は前回の書類には言及されていない。我々は目標とするものはないが、注意深く監視するという事実を示していることは明白である。何故なら、自国通貨高は我々のインフレに影響を与えるのは明らかであるからだ。先ほど言った様に、我々に政策目標はない。自国通貨の水準に関するコメントもない。しかし、ユーロの対外価値がユーロ圏の価格設定には非常に決定力あることは明白である。そこで、我々は今後の進展を監視し、それに気を配り続けることになる。
H (次の質問)為替レートについて続けたいと思う。貴女はECBが為替を密接に見ていることは明らかと思う。しかし、ここまでのユーロ高が基本的に受け入れられるものなのか、多数のメンバーが懸念するものなのか?
(回答)ECBは為替レートの目標はないと先ほど言った。我々の任務は価格安定であり、利用可能なあらゆる金融政策手段を使って中期インフレ目標に向かわせることである。我々ができる分析を通して観察していることは明らかである。つまり物価水準へのマイナス圧力を観察している。ユーロ高の影響は一部である。我々は水準について目標はないし、いかなる水準についてもコメントしない。中期インフレに影響を与えるユーロ高を注意深く監視することである。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから
ユーロドルの相場は、ECBの金融政策据え置きで小幅高となり、その後のラガルド総裁の為替の目標水準はないとの発言に1.1917まで急伸しました。その後は英国とEUのBrexit交渉が先行き不透明との見方にポンド急落、ユーロ連れ安で反落し1.18台前半でNYを引けています。まだ昨日の日足チャートはそのまま生きており、昨日の日足がトウバ線になったので、目先は上値の1.19台が重くなっています。
(9月11日15:15、1ユーロ=1.1835ドル)
オーダー/ポジション状況
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