市場の関心は英欧、ドル/円は原則蚊帳の外(9/11夕)

11日の東京市場は、ほぼ横這い。動意らしい動意はなく、106.05-20円といった極めて狭いレンジ取引に終始している。

市場の関心は英欧、ドル/円は原則蚊帳の外(9/11夕)

市場の関心は英欧、ドル/円は原則蚊帳の外

〇ドル円、106.05-20といった狭いレンジ取引に終始
〇ポンドはようやく下げ止まるも、再下落を懸念する声
〇ECB総裁の「為替レート目標にせず」発言受け、再び広がるユーロへの買い安心感
〇英国とEUのFTA締結交渉は進展なし、離脱協定巡る対立は深刻化
〇今後、欧州通貨当局者の発言機会相次ぐ、内容次第では波乱要因の可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.80-106.60

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場は、ほぼ横這い。動意らしい動意はなく、106.05-20円といった極めて狭いレンジ取引に終始している。

ドル/円は106.10-15円でオープンしたものの、終日を通して積極的な売買は手控えられた。日経平均に加え、NYダウ先物という日米株価はともに堅調推移をたどったが、為替市場の動意には繋がらず。106.05-20円で一進一退をたどると、16時現在では106.15-20円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、昨日まで大きく下落していたポンドはようやく下げ止まり。ただ、「反発」というほどではなく、敢えて言えば「底練り」あるいは「低位揉み合い」。時間を経てのポンド再下落を懸念する声も少なくなかった。

一方、材料的に注視されていたものは、「ECB理事会」と「英国情勢」について。
前者は、注目のECB理事会で「政策金利の据え置き」が発表されると同時に、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を1兆3500億ユーロに維持」すると発表された。また、そののちラガルドECB総裁は会見で、ユーロ相場を注意深く見守っているとしながらも「為替レートを目標にしているわけではない」と強調。これを持ち、市場では再びユーロへの買い安心感が広がっていたようだ。なお、後者の話と絡めたものとして、ロイターは「ユーロの上昇は経済ファンダメンタルズとおおむね整合的と判断、ECB理事会ではユーロ高を看過することで一致したことが分かった」などと報じている。

対して後者は、EUとの自由貿易協定(FTA)締結交渉について、10日まで3日間にわたった会合が実施されたが溝は埋まらず、結局進展なく終了。また、それとは別に、国際条約「離脱協定」の主要部分をほごにしようとする英法案をめぐり、英国とEUが臨時会合を開催したものの、英国が法案修正を拒否するなど、こちらはむしろ対立が深刻化した感を否めない。英とEUは来週も話し合いを続ける見込みだが、妥結までも道のりはなかなか見通しにくい状況だ。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円は、ここまで60ポイント程度しか動いておらず、これは週間ベースとして2月10-14日週にならぶ「週間ベースの年間最小変動」にほぼ匹敵する。ただ、このあとも大きな動意は期待できないとの指摘が有力で、レンジ取引がいましばらく続くことになるのかもしれない。そうしたなか、活発な動意が期待されているのがユーロやポンド。本日の東京時間はいまひとつだったが、このあとの欧米時間、欧州関係の材料が多いこともあり、変動に期待を抱く向きは少なくない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「安倍首相辞任とその後継者人事」、「ベラルーシ情勢」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、さらに「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」も市場の注目を集めはじめている。前述したように、昨日はラガルドECB総裁の発言がマーケットで思惑を呼ぶ格好となったが、本日も独連銀総裁や仏中銀総裁、ECB理事による講演、討論会参加など欧州通貨当局者の発言機会が相次ぐ。もちろん、その内容次第だが、波乱要因として注意しておく必要がありそうだ。

テクニカルに見た場合、先でも取り上げたように、今週のドル/円はまだ60ポイント程度しか変動がない。具体的には105.79-106.38円の変動にとどまっている。まずは、そんなレンジを如何に放れるのか、方向性とタイミングを注視してみたい。
なお、対円やドルで急落をたどるポンドだが、対円で移動平均の200日線を下回ったことに続き、対ドルでも割り込むか否かの正念場にある。続落にも一応要注意。

本日、8月の消費者物価指数といった米経済指標が発表される予定になっている。もちろん、その数字には要注意だが、先でも指摘しているように、本日は欧州関係の材料、とくに通貨当局者による講演などが集中しており、その発言に注意を払いたい。なかでも、ユーロ高の容認が本物なのか、いま一度見極めたいなどとする声も市場筋からは聞かれている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.80-106.60円。本日東京高値を含めた106.30円レベルが最初の抵抗。抜ければ106円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日しっかりと割り込むことができなかった106円レベルが目先のサポートとして意識されている。下回ると直近安値105.79円がターゲットに。

市場の関心は英欧、ドル/円は原則蚊帳の外

ドル円日足


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