米8月消費者物価指数(CPI)の予想
本日、米国8月消費者物価指数(CPI)が公表されます。3月〜5月までは連続マイナスでしたが、6月以降は大きく持ち直しています。今回の8月予想も前月比ではプラスになっていますが、伸び方は鈍化しています(下図1)。また、注目のコア年率(下図2)ですが、CPIコアとFRBがインフレ参考値にしているPCEコアは7月まで上げていましたが、今回予想通りですと横這いになり、両者は相関性が高いので10月1日発表の8月PCEコアも同じ傾向を辿る可能性が高くなります。FRBはインフレ目標値2%を越えても低金利維持とし、インフレを平均化してみるとしていますので、横這いかそれ以下ですと道のりが長いことになります。年率CPIコアが予想以下になった場合は長期金利や為替に影響がでてくる可能性あります。
(2020年9月11日12時現在予想)
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。6ヶ月移動平均線(オレンジ)は7月に0.0%となりマイナスから脱却し、8月は予想通りなら水面上を回復します。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
上図の前年比ベースのCPI(青)とPCEインフレ(オレンジ)のコア数値が右肩上がりを継続できるか否かをウォッチしたいと思います。
下図はドル円の週足チャートです。2020年の流れはラインA(=109円40銭)とB(=105円00銭)の3角保合いの収斂になっています。しかしながら3月の戻り高値からの抵抗線Cが107円20銭にあり、更に直近10週前の高値からの抵抗線Dが106円70銭にあります。BとDではレンジが僅か1円70銭です。1週間で上下20銭程度の収斂ですので、最大8〜9週間で上下のレンジ抜けになります。大統領選挙が8週間後ですので、そこまで収斂継続するのか、その前に勢いつくのかとなります。
上値は3つの抵抗線ありますが、下限は日足で105円50銭〜60銭、105円20銭にサポートがあり、もしBを抜けると、Cから下したE(=102円50銭)辺りがポイントになりそうです。
(9月11日13:30 1ドル=106円15銭)
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