オーストラリアドル週報(2020年9月第1週)

本日(4日)発表された7月の豪小売売上高は前月比+3.2%で市場予想の+3.3%に届きませんでしたが、為替相場には影響なく、豪ドル/円は77円台前半で推移しています。

オーストラリアドル週報(2020年9月第1週)

豪ドル/円、“豪ドル強気”を維持。76円割れで終えた場合は短期トレンドに変化。

1日に発表された豪4-6月期の経常収支は、177億3800万豪ドルの黒字となり、前期の90億2300万豪ドルを大きく上回り、市場予想も上回りました。また、同日に行われた金融政策決定会合では政策金利(キャッシュレート)を市場の予想通り、0.25%に据え置くことが決定され、声明文の内容もこれまでと変わらず、「完全雇用への進展とインフレが2-3%の目標範囲内で持続可能と確信するまで利上げはしない」としています。為替市場はこれには反応が鈍かったものの、翌2日に発表された4-6月期のGDPが市場予想を下回る前期比▼7.0%(前年同期比▼6.3%)となり、1991年以来のリセッション入りを確認したことから、豪ドルは対米ドル、対円でやや上値の重い展開となりました。

さらに、3日のNY株式市場では、コロナショック前の水準まで戻した株価に利益確定の売りが集中して、3指数ともに急落して引けたことから、リスク回避の動きがやや強まった結果、豪ドルは対米ドル、対円で小幅続落しています。本日(4日)発表された7月の豪小売売上高は前月比+3.2%で市場予想の+3.3%に届きませんでしたが、為替相場には影響なく、豪ドル/円は77円台前半で推移しています。

チャートを見ると、日足は、6/22に付けた72.74を直近安値として下値を切り上げる流れを維持しており、この短期的な日足の下値抵抗は76.10-20にあります。また、7/22に付けた76.87を基点とする短期的なサポートラインの下値抵抗が76.60-70にあり、これも守って推移しており短期トレンドは“豪ドル強気”の流れを変えていません。一方で78〜80円ゾーンには長期的な上値抵抗が控えており、今週も78円台定着を見ずに反落しています。日足の上値抵抗は77.60-70、78.10-20、78.40-50に、下値抵抗は76.60-70、76.10-20にあります。76円割れで終えた場合は短期トレンドが変化して下値余地がさらに拡がり易くなります。21日、120日、200日移動平均線は76.65、72.41、72.75に位置しており、短期トレンドは“豪ドル強気”の流れを変えていません。

一方週足を見ると、先週足は寄り付き安値の陽線引けとなり、一段の上昇の可能性に繋げています。また、6月第二週の大陰線の値幅(高値76.78)をしっかり上抜けた位置で終えており、週足は強い状態を維持しています。今週は先週の流れを引き継いで上値トライの動きが先行しましたが、78円台定着に失敗して押し戻されています。しかし、短期トレンドが強い状態を維持しているので深い押しにも繋がり難いと見られます。一方で、2017年9月に付けた90.30を基点とする長期的なトレンドラインの上値抵抗が80台に控えており、78円超えに値を戻した場合でも80円は大きな壁となる可能性も高いと見られます。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は、78.10-20、78.90-00に、下値抵抗は76.60-70、76.00-10にあります。可能性がまだ低いと見ますが76円割れで越週した場合はトレンドが変化して一段の豪ドル下落に繋がり易くなります。31週、62週移動平均線は72.04と73.05にあり、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れにあります。

豪ドル/円、“豪ドル強気”を維持。76円割れで終えた場合は短期トレンドに変化。

9/3現在31週移動平均線は72.04に、62週線は73.05あり、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れにある。

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