米指標への関心高い、ドルよりユーロに注意(8/6夕)

6日の東京市場も、積極的な動意は乏しい。105円台半ばを挟んだ、30ポイント程度の変動にとどまっている。

米指標への関心高い、ドルよりユーロに注意(8/6夕)

米指標への関心高い、ドルよりユーロに注意

〇ドル円、105円台半ばを挟んだ30ポイント程度の変動で積極的な動意は乏しい
〇愛知県で独自の緊急事態宣言が出されるなど日本のコロナ感染状況に注視
〇ADP雇用統計、事前予想120万人に対し16.7万人にとどまるもドル売りは限られる
〇ADP雇用統計の悪化もあり、本日発表の週間ベース新規失業保険申請件数は要注目
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.00-106.00

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場も、積極的な動意は乏しい。105円台半ばを挟んだ、30ポイント程度の変動にとどまっている。

ドル/円は105.60-65円で寄り付いたものの、終日を通して積極的な売買は手控えられた。夕方にかけて、わずかに値を崩すも下値は105.35-40円まで。結局、大きく崩れることはできず、元の木阿弥に。16時現在では105.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、値動きそのものは決して大きくなかったが、そうしたなかユーロが強含み。対円やドルで続伸すると、年初来高値を一時更新する局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「日本におけるコロナ感染状況」について。
前者は、ポンペオ米国務長官を尖兵とした中国批判が止まらない。「香港の活動家指名手配」に対する批判に続き、中国企業による米国内での通信事業に対する包括的な制限を目指す新たな方針も発表されている。それに対し中国サイドは、王外相が「米国は自分の望み通りに中国を改造するという幻想を捨てるべきだ」と述べたとされるほか、中国英字紙は社説で「中国人記者のビザ(査証)をめぐり米政府は中国を挑発している」などと批判していたという。

対して後者は、来週初めにかけて再び3連休を迎えるほか、お盆休みも近い日本のコロナ感染状況についての警戒感が改めて取り沙汰されていた。本日は安倍首相から「ただちに緊急事態宣言を出すような状況ではない」との発言が聞かれているが、昨日愛知県は独自の緊急事態宣言を発しているし、東京都も10日連続で感染者200人超えとなったことが明らかに。先行き不透明な状況にあると言わざるを得ない。

<< 欧米市場の見通し >>

先日、トランプ氏が発した「金曜日、雇用に関して大きな数字がでる」とのコメントを立証するひとつの指標として注視されていた7月のADP雇用統計が昨日発表されたが、その内容は事前予想プラス120万人に対し、プラス16.7万人にとどまった。大いに期待を裏切るものだったが、現物のNYダウが300ドル以上上昇したことなどもあり、ドル売りは限られている。ただ、米ファンダメンタルズへの警戒感が再び強まりつつあることは間違いなく、本日そして明日も発表される米経済指標の発表には注意が必要だろう。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、後者と絡めた内容になるが、難航している「米政権と民主党指導部による新型コロナウイルス追加経済対策法案をめぐる協議」の行方にも注視している。ロイターでは、「共和党の一角からは7日までに合意がまとまらなければ、協議は決裂するとの見方が台頭している」と報じており、あまり時間的な猶予がないと目されることも気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、7月31日の104円台前半、翌8月1日の106円台半ばで、ともにレンジの上下限を試した感があり、いましばらくはそのあいだにおけるレンジ取引か。明日発表される米雇用統計を警戒しつつも、基本的には105円台での一進一退、次の方向性を探る展開が続く見込みだ。

本日は、週間ベースの新規失業保険申請件数という米経済指標が発表される予定となっている。もともと、ここ最近は同指標への関心が総じて高いが、前述したように昨日発表されたADP雇用統計が予想以上の悪化を示したことで、本日発表分への注目度は極めて高い状況だ。なお、市場の事前予想値は140万件程度と、前月(143.4万件)よりも若干改善されるとの見方が有力。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-106.00円。上方向は、105.80-90円に弱い抵抗が位置しており、上抜けると106円台乗せトライも。その上となると、移動平均の21日線も近い106.47円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の105.32円をめぐる攻防を注視。ちなみに、このレベルは目先安値104.19円を起点とした上昇幅の半値戻しにほぼ合致する。割り込んだ場合には105円割れが意識されそうだ。

米指標への関心高い、ドルよりユーロに注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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