海外時間の為替概況
〇ドル円105円台半ば 米雇用統計を控えた様子見ムード継続
〇ユーロドルドイツ6月製造業受注の良好な結果等から欧州朝方に高値1.1917まで急伸するもその後乱高下
〇ドル円106円を維持できず見切り売りから目先は7/31安値104.18を試すシナリオを想定
〇今晩発表される米雇用統計のネガティブサプライズに警戒が必要
〇本日の予想レンジ105.00ー106.00
6日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@米中対立リスクの高まり(ドル売り)や、A米追加財政合意期待の後退(ドル売り)、B米追加緩和観測の高まり(ドル売り)等が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値105.31まで下落しました。しかし、C米新規失業保険申請件数(結果118.6万件、予想140.0万件)が良好な結果を示すと、D米国務省が海外渡航勧告レベル4を解除したことや、E米追加財政支援策への期待感、F欧米株の上昇を受けたリスク選好の円売りも支援材料となり、引けにかけては幾分持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.58近辺で推移しております(米雇用統計を控えた様子見ムードが継続)。
6日(木)のユーロドル相場は高値更新後に反落。@米中対立リスクの高まり(ドル売り)や、A米追加財政合意期待の後退(ドル売り)、B米追加緩和観測の高まり(ドル売り)、Cドイツ6月製造業受注(結果27.9%、予想10.1%)の良好な結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1917まで急伸しました(7/31に記録した直近高値1.1910を突破)。しかし、D新規失業保険申請件数(結果118.6万件、予想140.0万件)が良好な結果を示すと、D米国務省が海外渡航勧告レベル4を解除したことや、E高値更新後の利食い売り(1.19台を維持できなかったことに伴う見切り売り)がドル買いを誘い、米国時間朝方には一時1.1818まで急落する場面も見られました。もっとも、欧米株が堅調に推移すると引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1873近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/3に記録した高値106.47をトップに反落に転じると、昨日は一時105.31まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も継続するなど、テクニカル的にみて「地合の弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(106円台を維持出来ず反落→上値の重さを嫌気した短期勢による見切り売りを誘発)。目先は7/31に記録した約4ヵ月半ぶり安値104.18を試すシナリオを想定。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、積極的な緩和方針の継続を示した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(ADP雇用統計が弱かったことで今晩発表される米雇用統計への警戒感が強まりつつある)、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感の高まり)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念(世界経済の更なる下押し→企業破綻の増加)、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。欧米株及び商品市況の動向、新型コロナウイルスおよび米中対立激化に絡むヘッドライン、米主要経済指標の結果(米雇用統計など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(米雇用統計の前哨戦となる米ADP雇用統計や、ISM製造業景況指数及びISM非製造業景況指数における雇用項目が不冴な結果となったことから、今晩発表される米雇用統計のネガティブサプライズに警戒が必要。米雇用統計(非農業部門雇用者数)が市場予想を大幅に下回る結果となった場合、ドル円が7/28に記録した直近安値104.18を試すシナリオも想定される)。
本日の予想レンジ:105.00ー106.00
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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