コロナ警戒強いが、為替への影響は限定的か(8/4夕)

4日の東京市場は、レンジ取引。106円を挟んだ合計30ポイント程度の上下動で、明確な方向性は乏しかった。

コロナ警戒強いが、為替への影響は限定的か(8/4夕)

コロナ警戒強いが、為替への影響は限定的か

〇ドル円、高値106.20でとどまり106円を挟んだ30ポイント程度の動き
〇「元徴用工問題」で日韓関係のさらなる悪化を懸念
〇新型コロナ感染者、世界で1800万人を突破、米国で感染拡大続く
〇本日は6月の製造業受注指数や同耐久財受注確報が発表、好数字を期待か
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.50-106.50

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、レンジ取引。106円を挟んだ合計30ポイント程度の上下動で、明確な方向性は乏しかった。

ドル/円は105.95-00円で寄り付いたのち、しばらくのあいだ低位揉み合い。そののちややドル買いの動きが強まったものの、高値は106.20円までにとどまっている。日経平均株価は上昇幅が一時400円を超えるなど堅調に推移したが、影響は限定的。ドルも目先高値示現後は再び揉み合い商状をたどると、16時現在では105.95-00円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「TikTokをめぐる動き」と「元徴用工問題」について。
前者は、香港紙が「TikTokの親会社である中国バイトダンスは、米マイクロソフトへのTikTok売却に抵抗感を抱いている」と報じる反面、トランプ米大統領は「米マイクロソフトによる買収に反対しない」と述べたうえ、「買収が実現しなければ9月15日付でTikTokの米国内での利用を禁止する」と表明していた。なお、そうしたなか、中国外務省の汪報道官から「米国の中国ソフト企業に対するいかなる措置にも断固として反対する」との発言が聞かれていたようだ。

対して後者は、日本時間4日午前0時を持ち、元徴用工訴訟で被告となっていた日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国内資産の売却命令が可能となった。これについて、韓国サイドは「大統領府が司法の決定について立場を明らかにするのは適切ではない」などとし、政府不介入の立場を改めて堅持。事実上容認する姿勢を示しているが、日本は麻生財務相が「実際に売却されれば、対抗措置を取らざるを得ない」と発言するなど、全面対決に入りそうな気配も。日韓関係のさらなる悪化を懸念する声は少なくない。

<< 欧米市場の見通し >>

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果で、世界の新型コロナ感染者が1800万人を超えたことが明らかに。それもあり、米国ではホワイトハウスの新型コロナ対策調整官バークス氏が「感染が極めて拡大している。米国が流行の新たな局面に入った」と発言。また米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、医療雑誌のインタビューで「新型コロナウイルス感染者が急増している州はロックダウン措置の再導入を検討すべき」などとする提言を発表していた。ただ、金融市場の様相は以前から一変、足もとは楽観論が台頭しているというか、少なくとも「コロナ感染第2波=ドル売り」といった構図にはなっていないように思われる。目先は、その影響も限られそうだ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者については、前述したように「コロナ感染第2波=ドル売り」といった構図にはなっていないものの、発表される米経済指標と企業決算の内容次第といった声も。つまり、それらが悪化の傾向を示し、先行きの不安を喚起すれば再びドル安に傾斜しかねないのかもしれない。

テクニカルに見た場合、先週一時104.19円までドル安が進行したものの、下値抜けを失敗したこともあり、ドルの下値リスクは軽減している。ただ、上値も重そうで、かつて推移していた106-108円を中心としたレンジに回帰できたかどうかは微妙な情勢だ。再び下値模索へと向かう可能性もないわけではなく、いま少しのあいだ動静をしっかりと見極めたい。

本日は、6月の製造業受注指数や同耐久財受注確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標はマチマチだったが、7月のISM製造業景況指数が予想を上回り、それが為替市場でも好感された面もあっただけに、どちらかというと好数字を期待する向きが優勢であるようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。上方向は、昨日高値にあたる106.47円の攻防にまずは注視。その少し上には移動平均の21日線、さらに107円台前半には90日線なども位置しており、ドルの上値は重いかもしれない。
対するドル安・円高方向は、同様に昨日安値の105.59円が目先のサポートで、割り込んでも105.30円などがやはり弱いサポートとして意識されそう。それらを割り込んだ場合には105円割れも否定できないが、先週末に記録した安値104.19円はかなり遠いイメージだ。

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ドル円日足

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