一転してドルの下値不安台頭、底割れなるか
〇ドル円、22日東京市場はここ最近のレンジ下限106円後半で一進一退をたどる
〇英国「香港との犯罪人引き渡し条約を停止」に中国外務省「誤った行動に対抗措置を取る」と発表
〇新型コロナ、世界の感染者数本日にも1500万人を突破する公算が大きい
〇昨日EU復興基金の合意が決定し、本日ラガルドECB総裁講演予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ106.40-107.40
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、レンジ取引。ここ最近のレンジ下限である106円後半において一進一退をたどっていた。
ドル/円は106.70-75円で寄り付いたものの、売買は手控えムード。結局、終日を通したレンジも106.70-90円といった20ポイントにとどまっている。株価の動きなどを注視しつつも、新規材料に乏しく、手掛かり材料難という面も否めなかった。16時現在では106.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「アジア地域における米軍の話」について。
前者は、英国が「香港との犯罪人引き渡し条約を停止」したことについて、中国外務省は「誤った行動に対抗措置を取る」と発表するなど、両国の亀裂は一段と深まった感がある。なお、そうしたなか米国務長官が22日までの日程で訪英すると、「ジョンソン首相と会談を実施」し、ファーウェイ排除など中国に関する話もされていたようだ。また英紙テレグラフは、それと別に「英政府は、EUの自由貿易協定(FTA)交渉で期日内の合意ができないことを前提としている」などと報じ物議を醸していた。
対して後者は、米韓国防相が電話会談を行ったことが明らかになるも、一部で報じられていた「在韓米軍削減については議論されず」(韓国報道官)。また、コロナの影響もあり、例年8月に行われる米韓合同演習の日程も決められなかったという。そののち、エスパー米国防長官が、中国と対峙する可能性に備え、「アジア全域に米軍を配置している」と明言。思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
世界的に見た場合、新型コロナの感染拡大はいまだ止まらず。米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計結果によると、世界の感染者はすでに1494万人を超えており、残念ながら本日にも1500万人を突破する公算が大きい。そうした環境下、懸念されているもののひとつが明日から迎える日本の4連休。たとえば、小池東京都知事は改めて「不要不急の外出自粛」を要請しているが、果たしてどうなることか。いわゆる「感染第2波」、来週以降にかけての感染者数の爆発的な増加を懸念する声なども聞かれていた。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者について、米国ではトランプ米大統領が遅ればせながら、「社会的距離を維持できない場合には、マスクを着用すべき」などと述べ、方針の転換を示したが、果たして効果のほどは如何に!?また、徐々にではあるものの、明るい報道が増え始めているコロナ治療薬に関する続報にも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドルは20日、過去1週間以上もドルの上値を抑制し続けていた107.40-45円を一時上抜けたものの、やはり「ダマシ」だったようだ。足もとは元のレンジへと回帰してきただけでなく、今度は逆にレンジ下限割れを視界内に捉えての動きとなっている。ただ、昨日も下限である106.64円にほぼ面合わせするも割り込めず、むしろ底堅さを確認したとの声も聞かれていた。このあと再トライなるかなどに注目だ。
本日は、6月の中古住宅販売件数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による20年債の入札、断続的な米企業の決算発表なども予定されている。それらはもちろん要注意。
それ以外では、昨日EU復興基金の合意が決定するなか、ラガルドECB総裁が実施する講演が注視されている。どんな発言が飛び出るのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.40-107.40円。上方向は、昨日NYのドル急落後一度も回復していない107円レベルが最初の抵抗に。しっかり抜ければ、107.40円レベルあるいは107.55円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日接近するも割り込めなかった7月安値106.64円をめぐる攻防にまずは注視。下回ると6月安値の106.08円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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