ドル円、直近安値トライに失敗。リスク回避のドル買いで再び107円台に値を戻す(7/23朝)

22日(水)の外国為替市場でドル円は安値圏から反発。

ドル円、直近安値トライに失敗。リスク回避のドル買いで再び107円台に値を戻す(7/23朝)

ドル円、直近安値トライに失敗。リスク回避のドル買いで再び107円台に値を戻す

〇ドル円反騰107円台を回復
〇米国の在ヒューストン中国総領事館の閉鎖要求、6月中古住宅販売件数の増加が背景
〇ユーロドルは1.1621まで一段高
〇ドル円106.60台の支持帯を下抜けること出来ず
〇米中対立激化が本格化すれば、市場のテーマがリスク回避の円買い(株安→円高)に回帰する恐れも
〇ドル円相場下落がメインシナリオ 本日の予想レンジ106.70ー107.40

海外時間の為替概況

22日(水)の外国為替市場でドル円は安値圏から反発。@EU復興基金の合意(対ユーロでのドル売り)や、A米国における追加景気対策期待、B上記@Aを背景としたリスク選好のドル売り圧力が重石となり、アジア時間には一時106.71まで下落しました。しかし、前日安値106.69をバックに下げ渋ると、C米中対立激化を嫌気したリスク回避のドル買い圧力(米政府が知的財産権の保護を目的に、在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を要求→中国外務省は対抗措置を講じる構えを示唆)や、D米6月中古住宅販売件数の増加(結果472万件、予想475万件、前月391万件、※予想には届かなかったものの前月の水準を大幅に超過)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値107.29まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、107.17近辺で推移しております(方向感を見出し辛い時間帯が継続)。

22日(水)のユーロドル相場は一段高。@約5日間にわたるEU首脳協議(対面)を経て、7/21付けでEU復興基金が合意に至ったこと(欧州の景気回復期待→ユーロ買い)や、A米国における追加景気対策期待、B上記@Aを受けたリスク選好のドル売り(株高→ドル売り)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、2018年10月16日以来、約1年9ヶ月ぶり高値となる1.1601まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点では(日本時間5時00分現在)では、1.1573近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、7/21は一時106.69まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、一目均衡表雲下限及びボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております。但し、今セッションにおいても、106.60台の支持帯を下抜けることが出来ず(昨日も安値トライ失敗後に反発)、市場参加者が同水準を意識していることが伺えます(7/10安値106.64、7/15安値106.66、7/21安値106.69、7/22安値106.71)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国。※イールドカーブ・コントロール導入議論を続ける米国と、7/15の日銀金融政策決定会合を経て追加緩和観測が後退した日本)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(米政府が在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を要求し、中国外務省も対抗措置を講じる構え。米中報復合戦の始まりの恐れ)、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(外交リスクの高まり)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナ第2波リスク(世界的な感染再拡大)、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。足元ではリスク選好時にドルが売られ、リスク回避局面でドルが買われる傾向にありますが、米中対立激化が本格化すれば、市場のテーマがリスク回避の円買い(株安→円高)に回帰する恐れもある為、引き続きダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。欧米株や原油先物価格の動向や、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、米国における追加景気対策の行方(ムニューシン米財務長官は今月中の合意を目指しているが、民主党・共和党間の隔たりは大きく、月内合意は困難との見方も浮上)、米主要経済指標の結果(新規失業保険申請件数や、米6月景気先行指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:106.70ー107.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、直近安値トライに失敗。リスク回避のドル買いで再び107円台に値を戻す

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