今週はまだ1円未満の変動、レンジ脱却は!?(7/16夕)

16日の東京市場は、レンジ内での一進一退。106円台後半を中心とした20ポイント程度の値動きで、引き続き動意は乏しかった。

今週はまだ1円未満の変動、レンジ脱却は!?(7/16夕)

今週はまだ1円未満の変動、レンジ脱却は!?

〇ドル円、16日東京市場は106円台後半中心の20ポイント程度の値動き
〇新型コロナ東京の感染者数過去最高を更新
〇引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」警戒
〇本日発表のECB政策金利も注視
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.50-107.40

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は、レンジ内での一進一退。106円台後半を中心とした20ポイント程度の値動きで、引き続き動意は乏しかった。

ドル/円は106.90円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。106.85-107.05円といった狭いレンジ内での一進一退、方向性もうかがえなかった。途中、小池東京都知事から「新型コロナの新規感染者は280人程度になる見込み」との発言が聞かれ、事実とすれば過去最高を更新することになるが、とくに材料視されることもなく、相場への影響は限定的だった。16時現在でドルは106.95円前後で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国のファーウェイ排除」と「米中の対立」について。
前者は、前日に「英国が第5世代(5G)移動通信システムから、中国通信機器大手ファーウェイ製品を排除すると発表」したことが引き続き物議を醸す。ファーウェイ英国法人が「決定排除の再考を求める」とした声明を発表しただけでなく、中国政府も不満を表明。英首相に対し、「中国企業の英投資に多大な影響が出るだろう」と半ば恫喝に近い警告を発していた。なお、そうしたなかトランプ米大統領は、英国のファーウェイ排除には自身が貢献したとの認識を示し、大統領選に向けて成果を強くアピールしていたという。

対して後者は、両国関係が悪化の一途。たとえば、中国外務省の報道官からは南シナ海問題めぐり、「米国がいかなる制裁を科そうとも恐れない」との発言が聞かれていた。しかし関係悪化や問題の泥沼化を懸念したのか、それとも単に日和っただけなのか、ブルームバーグは「米政権のチームが香港行政長官や副首相を含む高官の追加制裁リストを作成したが、トランプ氏が実施の見送りを決めた」と報じ、こちらも別の意味で話題に。

<< 欧米市場の見通し >>

東京の新型コロナ感染者が、本日またもや過去最高を更新。危機的な状況に陥ってきた感を否めず、先々の動きにも要注意だ。そしてまた状況的には米国や豪州、インドなども日本とさほど変わらない。いわゆる「感染第2波」に苦しむ先も徐々に目立ち始めただけでなく、実際にロックダウン(都市封鎖)などの措置に再び踏み切るところも観測されはじめている。一方で、コロナ治療薬への期待感が強いものの、開発にはかなり長い時間が必要で、即効性に乏しいということは覚えておく必要があるだろう。いずれにしても、両者の綱引き症状はまだしばらく続く可能性がある。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。前者については、先でも取り上げたブルームバーグ報道などから「対立関係の緩和」が期待される反面、今度は「英中間の対立」が激しさを増しつつあることは気掛かり。そのほか、本日はECBによる政策金利発表を注視している声も聞かれるなど、欧州情勢全般にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、今週も半分が過ぎ、週の後半に入っているが、ドル/円の変動はここまで1円にも満たない。具体的には106.64-107.42円といったレンジを形成しており、まずはそこからの脱却するタイミングや方向性に要注意だ。上放れた場合には108円台回復を目指す反面、底割れした際には前回の106.08円がターゲットに。

本日は、6月の小売売上高や7月のフィラデルフィア連銀景況指数、あるいは週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。また、ウィリアムズNY連銀総裁によるオンラインセミナーや、バンク・オブ・アメリカなどによる決算発表も行われる見通しだ。
さらに、米国以外ではECBによる金融政策発表ならびに、ラガルドECB総裁の記者会見が注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.50-107.40円。上方向は、移動平均の21日線などが位置する107.20-30円をめぐる攻防にまずは注目。超えれば昨日高値の107.42円、そして直近高値の107.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた106.80-85円が最初のサポートで、下回ると先週末に記録したドル安値106.64円、そして106.08円などが意識されそうだ。

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