豪ドル/円、短期は“豪ドル強気” 73円割れの越週でトレンドに変化。
16日発表された豪6月の失業率は7.4%で、市場予想の7.1%より悪く22年振りの高水準となりました。また、就業者数は+210,800人と市場予想の+104千人を大幅に上回りましたが、内訳を見るとフルタイムの雇用者数が▼38,100人に対し、パートタイムの雇用者が+249千人とパートタイマーの急増によるもので、内容的には良い結果とは言えず、為替相場も対米ドル、対円で上値が抑えられる展開となっています。政府は段階的な雇用増を見込んでいますが、メルボルンなどの大都市では新型コロナウィルスの感染者の増加が認められることから、雇用市場の先行きには不安を残した状態です。一方で中国の第二四半期GDPが+3.2%と前期のマイナス成長から急回復しており、経済活動の正常化が順調であることを窺わせる結果となり、豪ドル相場のサポート要因にもなっているようです。
チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91を直近安値として下値を切り上げる流れを維持していますが、75〜76円台に強い上値抵抗が控えており、急伸にも繋がり難くなっています。日足の下値抵抗が74.00-10にありますが、割り込んで終えた場合は下値リスクがやや高くなります。73円割れで終えた場合は短期トレンドが変化して一段の下落リスクが生じます。日足の上値抵抗は75.10-20、75.70-80、76.10-20に、下値抵抗は74.50-60、74.00-10、73.60-70にあります。21日、120日、200日移動平均線は74.19、70.85と72.39に位置しており、全てを上抜けて、短期トレンドは“豪ドル強気”の流れに変わりありません。
一方直近の週足は、小陰線で終えていますが下げ余力の強いものではなく、下値を切り上げる流れを維持しています。今週は上値トライの動きが先行しましたが、75円台の抵抗に阻まれて上値余地も限られる展開となっています。75.00超えで越週した場合は上値余地がもう一段拡がり易くなりますが2018年1月の89.07と、6月に付けた直近高値76.78を結ぶトレンドラインの上値抵抗が76.50-60にあり、これにぶつかる可能性にも注意が必要です。逆に74円割れで越週した場合は下値リスクが点灯、73円割れで越週した場合は短期トレンドが変化して一段の下落に繋がり易くなります。31週、62週移動平均線は71.77と72.93にあり、中期トレンドをサポートしています。
豪ドル/円【週足】:7/15現在31週移動平均線は71.77に、62週線は72.93あり、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れに入った可能性が生じている。)
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